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【防災術】行政からの補助金拡充も 住宅の耐震工事「いつかではなく今!」(熊本県)



防災士の柳原志保さんとお伝えする「しほママの防災術」、今回のテーマは住宅が地震に耐えられるように補強する『耐震工事』です。

(防災士・柳原志保さん)
私の自宅は築46年の古い木造住宅なんですが、そのときの耐震診断で「倒壊の可能性がある」との結果が出てしまったため、耐震工事を行うことにしました。実は、今年度から耐震工事の補助金が拡充されていて、今がチャンスなんです。

まずはしほママの家がどのように変わったのか、お邪魔してきました。

【VTR】
■永島由菜キャスター
「いつ耐震工事が終わったんですか」
■しほママ
「9月末で終了しました」


中古の一軒家をリフォームするにあたって、去年耐震診断を受け、ことし夏に3週間ほどかけて耐震工事をした我が家。耐震診断や設計監理を担当していただいた二級建築士の池上さんに解説してもらいます。

■永島由菜アナ
「耐震診断のときはここの耐震性があまり良くないって…」
■しほママ
「良くないですね」

耐震診断のときはこの障子部分、耐震性が低いと言われていたんですが、工事が終わっている今も変わっているように見えません。

■しほママ
「私が、やっぱしこれはこのまま残したかったんですよ。この雰囲気が好きで、やっぱりこの光が入るのをしたかったので相談して」



そもそも耐震性とは「壁の強さの中心」を「家の重さの中心」にどれだけ寄せるかで変わるもの。簡単に言えば、壁が多いと耐震性が上がるのですが、昔からの家は南側に大きな窓があって壁が少なく、耐震性が南側と北側で偏っている家が多いんだそう。私は南側の雰囲気がお気に入りだったので、窓と障子の間の壁を補強してもらいました。家の構造にもよると思いますが、工事する場所は柔軟に対応してもらえました。

今回、耐震工事をしたのは全部で19か所。耐震専用の板や抜けにくい釘などを使って地震に強い家になりました。震度6強〜7の地震想定のシミュレーションです。工事前の家は倒壊してしまうのに対し、工事後は耐えられるようになっています。

最後にどのような家が耐震性が低いのかチェックする項目はあるのか、池上さんに聞きました。



■池上立さん
「建物の重さ。これも耐震には重要で、こういった瓦屋根だと重い建物っていう分類になって、耐震的には不利になります。なのであの屋根を吹き替えて軽くするというのも耐震工事」

そのほかに、壁の亀裂も耐震性が低くなっているポイントだということです。

■池上立さん
「熊本地震が起きてから、ものすごく耐震診断の依頼が多かったんですけど、徐々に徐々に少なくなっていき、まだまだ耐震性が足りてないお宅が多いので耐震診断をお勧めいたします」

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
耐震工事というと大変そうに思っていたんですが3週間ほどで完了するんですね。

(しほママ)
リビングのリフォームも一緒にしたので3週間かかりましたが、耐震工事だけなら2週間ほどで完了します。住みながらできるので、思っていたよりムリなくできました。実はいま耐震改修工事については行政からの補助金があるんです。


(永島由菜キャスター)
まずは「耐震診断」について。2000年5月までに建てられた木造住宅については、最大で13.5万円の補助があります。そして「耐震設計」と「改修工事」についてですが、1981年5月までに建てられた木造住宅は最大で157.5万円。81年6月から2000年5月までに建てられた木造住宅でも最大で132.5万円の補助があるんです。しほママさんもこの補助を活用されたんですよね?



(しほママ)
そうなんです。耐震工事は約180万円かかったのですが、和水町の補助を使って実際に支払ったのは30万円程度でした。(耐震設計費・監理費は別途)

(永島由菜キャスター)
熊本県では、古い建物も含めた住宅の耐震化率を1日も早く100%に近づけるべく少なくとも来年度まではこの耐震化支援を行う方針とのことです。

(しほママ)
耐震相談は"いつか" でなく "今"!“耐震申請って大変そう…”と思っていましたが、役場の方が丁寧に教えてくれました。まずは、お住まいの自治体に相談するのが安心の第一歩です。


(10/23 19:57 熊本県民テレビ)

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