NNNニュース

【注目】人材不足打開の一手に…国家試験も突破!外国人の介護福祉士(熊本県)



医療・介護の分野などで深刻化する人材不足。そんな状況を救う存在として注目されているのが、外国人です。
難関の試験に合格し、介護福祉士として熊本市の介護施設で働いているインドネシア出身の男性を取材しました。

■ニコさん
「テレビでも見ませんか」


入所者から「ニコさん」の愛称で呼ばれている、イ=マデ=ニコ=アンドリアンさん。
インドネシア出身の23歳です。
ニコさんは2021年、19歳の時に来日し、特定技能外国人として今の介護施設で働き始めました。

■ゆうしんグループ・安達さん
「まだ若干拙い日本語ではあったんですけれども、すごく日本に興味がある。そういったことを第一印象として感じていた」



■ニコさん
「中学生の時から日本のアニメなどに興味を持っていて、日本に行きたいなと思う気持ちがありました。私は看護専門高校だったので、近い分野だなと思い介護職を選びました」

ニコさんが勤める介護施設が所属する「ゆうしんグループ」では、実は約50人の外国人が働いています。その背景には、介護業界の深刻な人材難があります。



■医療法人伸生紀・安達義昌主任
「少子高齢化でだんだん高齢者人口が増えるんですけれども、年々ですね、介護人材の採用というのは厳しい状況に悪化しつつある」

そこで打開策として目を付けたのが、「特定技能外国人」の制度でした。
しかし特定技能外国人が日本の介護施設で働けるのは最大5年間。ニコさんは、より長く日本で介護の仕事を続けるため、「介護福祉士」の国家試験を受けることにしました。



試験は、法律など高度な専門知識についてすべて日本語で出題される国家試験で、外国人にとっては非常にハードルの高い、狭き門。県内ではこれまでに合格した外国人は数人しかいません。

■ニコさん
「バス停でバスを待っている時はアプリで過去問を解いていた。あと、休憩の時間とか夜勤の時間とか、暇な時間に勉強する感じ。(働きながら勉強するのは)やっぱり大変です」



そして今年3月、ニコさんは外国人合格率30%と言われる難関を見事突破しました。

■ニコさん
「介護はコミュニケーションが一番大事だと思います。優しい声で(話すと)皆さんも安心していられる」

お年寄りとコミュニケーションをとるために、ニコさんは今も熱心に日本語の勉強を続けています。



■ニコさん
Q.何を見ているんですか?
「ネットから印刷してきたんですけど、これはN1(日本語能力試験の最難関レベル)の文法。来年くらいにN1を受けようかなと思っているので、少しずつこれからも文法とか語彙とか勉強しないと」


インドネシアの学校を卒業してすぐ来日したニコさんにとって、熊本はまったく知らない土地。
しかし最近は、趣味のウクレレを弾いたり繁華街でラーメンを食べ歩いたりと、プライベートも充実してきたといいます。

■ニコさん
「夢は永住権をもらうことかな。日本で長く住んでみたいなと思っています。」

■ニコさんが働く様子

そんなニコさんを、施設の人も頼もしく見ています。

■ゆうしんグループ・安達さん
「ご利用者様にもすごく笑顔で丁寧に接しておられる様子を人事からも見ていると、すごく安心して、もうちょっとより長く日本で働いていてもらいたいなという思い」

■ニコさん
「患者さんの安心している顔とか見て素敵だなと。仕事で利用者さんと一緒に笑ったりするのが一番楽しいなと思って。介護の仕事をずっと続けていきたいなと思っています」

介護業界の人材難を打開する一手となるか?ニコさんの今後の活躍に注目です。

(10/09 19:37 熊本県民テレビ)

TOP

Copyright(C)NNN(Nippon News Network)