■村で何が?ふるさと納税返礼品の「コメ」産地など巡り出品取りやめ(熊本県)
ふるさと納税をめぐるニュースです。県内でも複数の自治体が返礼品として出品する「コメ」。市場のコメ不足や価格高騰もあり人気の返礼品となっています。ところが、この産地などをめぐり西原村で議会での説明と異なる実態が明らかになりました。村は返礼品としてのコメの出品を取りやめています。
西原村のふるさと納税の返礼品に並ぶコメ。税収は村の貴重な収入源です。しかし20日にサイトを見てみると返礼品からコメが消えていて「ご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」という文言が。一体何があったのでしょうか。
発端は9月の西原村の議会。
■西原村議・堀田直孝議員
「阿蘇産ってどこ産ですか?阿蘇郡もいっぱいある西原産は含まれているんでしょうか?」
ことし1月から3月にかけて村がふるさと納税の返礼品として出品したコメに西原村産のコメが含まれていないのでは?という指摘があったのです。
西原村が扱う返礼品のコメは村が「備蓄米」として議会の承認を得て購入。その後「返礼品」に転用され、委託された福岡県の企業が保管し納税者へ発送しています。
この返礼品のコメについて、村は9月の議会で阿蘇地域の農家からJA阿蘇に集まったもので、西原村産のコメも含まれていると説明していました。
■西原村・吉井誠村長
「JA阿蘇に(西原村産の米を)一俵も出していなければそれはアウト。西原村の農家も(JA阿蘇に)出しているので産地偽装、違反するように販売しているわけではない」
返礼品に使う地場産品の基準はどうなっているのか?ふるさと納税を管轄する総務省は「その自治体で生産されたもの」もしくは「流通上、近隣の自治体のものとやむを得ず混ざったもの」としています。
西原村からもJA阿蘇に出荷していることを理由に「返礼品に西原村のコメは入っている」と強調していた吉井村長。しかし。
KKTが入手したJA阿蘇の資料では、去年、西原村で生産されたコメは村内にある物産館に出荷したもの以外は全て県内の倉庫に保管されていて西原村が委託する福岡県の委託企業には出荷されていないことが分かりました。またJA阿蘇によりますと集荷の際に産地が混在することはなく、いわゆる「ブレンド米」は出荷していないということです。
つまり、去年JA阿蘇から福岡の企業に出荷されたコメには西原村産が入っていなかったことに。先週、吉井村長を直撃すると。
■西原村・吉井誠村長
「備蓄米はJA阿蘇のコメなので(西原産は)入っていないですね。JA阿蘇に出荷しているのでそれでいいという認識だった。阿蘇にコメの倉庫があって、そこで(産地が)混ざるのかなという認識を持っていたがそこは認識不足だった」
「認識不足だった」として9月の議会での説明が誤っていたことを認めました。その上で、ふるさと納税の返礼品のコメに西原村産のコメが含まれているのか尋ねると…
■西原村・吉井誠村長
「卸問屋(福岡県の企業)が直接県内から買われているコメがあって西原村のコメは卸問屋(福岡県の企業)が直接買っている(西原村の)農家もいます」
委託した福岡県の企業がJAを介さず西原村の農家から直接コメを買い付け、阿蘇地域のコメとブレンドして返礼品にしているという新たな説明をしました。
Qどれぐらいの量?
■西原村・吉井誠村長
「どれぐらいは…ちょっと聞いてないですね」
農家から直接購入した時期や量、金額は「把握していない」と答えた村長と担当課長。KKTの取材の約1時間後「買い付けを証明する資料が見つかった」としています。
委託業者がコメをブレンドして返礼品にするのは総務省が定める「流通上やむを得ず混ざったもの」にあたるのか。地場産品かどうかをチェックをする熊本県は「総務省の基準に照らして本当に流通構造上やむを得ない場合にあたるのか 確認する必要がある」としています。
ふるさと納税の返礼品をめぐり揺れる西原村。「疑義が生じて関係各所に迷惑がかかっている」として村は9月の議会の後、ふるさと納税の返礼品からコメの出品を削除しています。
(10/20 19:29 熊本県民テレビ)
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