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【防災術】104人犠牲のデパート火災から52年「外出先の避難行動」学ぶ(熊本県)



『しほママの防災術』防災士の柳原志保さんとお伝えします。

(防災士・柳原志保さん)
今回のテーマは「外出先での火事、どうする?」です。
104人が犠牲となった大洋デパート火災から11月29日で52年が経ちました。外出先の建物で大きな火災に遭遇したとき、どのようなことに気を付けて避難すればいいのか、学んできました。



■柳原志保さん
「きょうは鶴屋百貨店に来ています。この場所で外出先の避難行動について学んでいきたいと思います」

地上8階、地下2階。休日、平日問わず多くのお客さんでにぎわう鶴屋百貨店本館にやってきました。そして、今回避難について一緒に学んだのは原田真羊(みちよう)さんです。

原田さんは1973年に起きた大洋デパート火災で父・美芳さんを亡くしました。その経験から現在は「過去の災害から気づき、未来の命を守る行動につなげてほしい」と、私と同じ防災士としても活動の場を広げています。



■原田真羊さん
「こんな大きなデパートでもし火災が起きた時、どういった避難行動をとったらいいか一緒に学んでいきましょう」

鶴屋百貨店の防災管理を担当する保安警備部の山下さんに建物を案内してもらいながら注意点を見ていきます。

■柳原志保さん
「これは何ですか?」

■鶴屋百貨店 保安警備部・山下博喜さん
「これは排煙操作といって煙を外に出すもの」

火災が起きたとき基本的には店舗の従業員が押す物ですが、非常時では買い物客などが押しても問題ないということなんです。
続いてやってきたのは階段の横に設置されている防火扉です。非常時は自動で閉まるのですが。

■原田真羊さん
「防火扉が開くというのも知っておくことが大切必ずあとぜき、閉めることによって煙をシャットアウトして他の方の命を守る」



閉まっていると通れないのではと思いがちな防火扉ですが、実は簡単に開くのです。防火扉は煙や火から避難経路を確保するためのものなので開けて逃げることができると頭に入れておきましょう。

こちらは私が防火扉を開けているんですが右と左で開け方が違うんです。何が違うか分かりますか?正解は手に注目してください右側は一度、扉に触れてから開けています。もしも扉の向こうが燃えていた場合、手をやけどしてしまう可能性があるからです。扉が熱い可能性もあると覚えておきたいですね。

そして、山下さんにバックヤードにある実際の避難経路に特別に案内してもらいました。

この避難経路が確保されていることも重要です。



■原田真羊さん
「(大洋デパート火災では)荷物を置いているだけで煙が遮断できなくて階段が煙突のようになって、逃げようにも逃げられない」

大洋デパート火災では避難経路に荷物が置かれていたことが大きな問題ともなりました。鶴屋百貨店では山下さんや担当の職員が毎日避難経路に障害物が置かれていないか点検していると言います。その後も非常階段など様々な場所を見せてもらいました。

■原田真羊さん
「(避難のポイントを)知っているだけでも自分の身も守るし、一緒にいる方の身も守る助けに来てくださる消防士さんの身も守れる」

自分だけでなく多くの人の命を守るために知っておくことが大切です。


【スタジオ】
(柳原志保さん)
改めて避難のポイントをまとめました。まずは、館内放送や授業員の案内に従うことです。鶴屋では定期的に訓練が行われていますのでしっかりと火を避けたルートを案内してくれます。そして、姿勢を低くし煙を吸い込まないようにしながら緑色の避難口誘導灯を目指しましょう!また、避難の時に電気が消えていることもあります。ライトなどがあると安心ですね。

今回伝えたいことは「買い物前に避難の備えをひとつ」。年末はデパートに行く機会も増えます。今回覚えた避難のポイントをひとつでも楽しい買い物の前に確認していきましょう!


(12/01 19:06 熊本県民テレビ)

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