■ピアノの上で雨漏り…国立大学で相次ぐ授業料値上げに赤字危機の熊本大は?(熊本県)
国立大学の経営が悪化しています。東京大学は、今年度から20年ぶりに授業料を値上げ。地方でも、山口大学が来年度以降の入学生の授業料を値上げします。熊本大学も例外ではなく、来年度には赤字に転じる可能性があります。値上げか、それとも別の道を探るのでしょうか。
熊本大学の学生会館。天井を見ると、修繕されないままの状態に。老朽化で少なくとも3年前から雨漏りしていますが、そのままになっています。
■学生
「ピアノの上が雨漏りしていて濡れるぎりぎりになっていて、できたら早めに直して欲しいのはすごくある」
背景にあるのが「厳しい経営状況」です。熊本大学によりますと、物価の高騰などを背景に、水道光熱費が4年前と比べ2億円増加。外部への委託業務などを含めると増えた経費は約4億8000万円に。その結果、建物の修繕ができないどころか来年度は初めて赤字に転じる可能性が…。
苦しい経営状況は熊本以外でも。東京大学は文部科学省のルールに基づき、20年ぶりに授業料を2割値上げしました。
■山口大学・谷澤幸生学長
「最終的に学費の値上げを決定しました」
山口大学は来年度以降の入学生を対象に、授業料の2割値上げを発表。学費の値上げで収入を安定させる動きが相次いでいます。
授業料の値上げか。それとも。10日に会見した熊本大学の小川久雄学長は。
■熊本大学・小川久雄学長
「すぐ授業料を上げるかと考えたけど、その前に寄付でOBからどのくらい本当に少しずつでも1万円ずつでももらって、OBは10数万人いるからかなり集まるだろうというのをやっている」
授業料は上げず、11月から卒業生などに緊急の寄付を募っていると明かしました。さらに、施設の名前を企業に買い取ってもらうネーミングライツや、大学が保有する土地の一部を民間企業に貸すなどして、安定した収入を得たい考えです。
膨れ上がった経費をどうするか、課題が突きつけられています。
(12/10 19:13 熊本県民テレビ)
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