■下通りアーケードから移転した帯屋跡地に「新たな老舗」期間限定でオープン(熊本県)
熊本市の下通りで約100年続いた老舗呉服店が11月に場所を移し、新たな門出に踏み切りました。これまでの場所に入ったのは「新たな老舗店」。2つの店には、守りたいものがありました。
新年を迎えるのにふさわしい華やかな箸や、おせち料理にも活躍しそうな菜箸。熊本市の下通りに期間限定で店をオープンしたのは、南関町の箸メーカー「ヤマチク」です。
3代目の山ア彰悟代表です。扱うのは日本の食卓に欠かせない「箸」で、約300種類を製造販売しています。
ヤマチクは、60年以上にわたって竹の箸だけを作る国内唯一のメーカーです。直営店は南関町の工場敷地内にだけありますが、都市部への出店を考える中でコストなどの問題で踏みとどまっていました。
■ヤマチク 山ア彰悟代表
「こういうチャンスって絶対に今後巡ってこないと思うので、逃すものかと今回トライさせていただいていますし、やるからには立派なしつらえでお客様が楽しんでお買い物いただけるようなお店を作っていきます」
出店を決めた場所は、今から99年前の1926年に熊本市中央区の下通りに店を構えた呉服店「よそほひの帯屋」。熊本一の繁華街で、多くの県民の晴れ姿を彩ってきましたが、熊本地震やことし8月の記録的大雨では建物が浸水する被害もあり、移転という決断をしました。
ビルを解体するまでの間、縁があったヤマチクに使用には問題のない店舗の一部を期間限定で貸し出すことになったのです。
内覧会前日。帯屋の社長も手伝いに訪れました。
■帯屋・宮崎雅士代表
「やってよかったねって、うちも店を出してもらってよかった」
「街が活性化する、ここがコーナー(角)の場所なので」
■帯屋・宮崎雅士代表
「この場所が死んでいる、休眠している状態というのは非常に街に対しても良くない。そういう意味では有効に利用できる一番の方法ではないか」
人通りの絶えないアーケードでの出店。店の外からの視線が集まります。正月に向け、1年の中で最も箸の需要が高まるこの時期に、繁華街での出店に挑戦です。
■ヤマチク・山ア彰悟代表
「この場所がいかに下通にとって大事な場所というのがすごくわかりますよね。オープンが楽しみになりました」
迎えた翌日。店内は、客を迎え入れる準備が整っていました。
■平井友莉アナウンサー
「ずらりと商品の箸が並んでいます。全ての種類実際に手にとって自分に合ったものを試すことができるんです」
毎日使うものだからこそ一番馴染むものを…。国内唯一のメーカーとなった今、竹の箸の魅力を多くの人に伝えます。
■ヤマチク・山ア彰悟代表
「お箸の使い心地や口当たりが変わるだけで食事の楽しさや味わいが本当に変わる。ぜひこだわりの一膳をお選びいただいて良いお箸で新年を迎えていただければ」
熊本の繁栄を見届けてきた場所で箸という日本の文化を守るかけ“はし”に…。この場所でのヤマチクの営業は12月28日(日)までです。
(12/12 19:15 熊本県民テレビ)
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