■一時「津波警報」久慈港で70センチ津波観測 一夜明けてけが人や被害(岩手県)
8日夜発生した青森県東方沖を震源とする大きな地震で、岩手県の沿岸部には一時、津波警報が出されました。久慈港では70センチの津波を観測。けが人や漁業施設への被害も確認されています
8日午後11時15分ごろ、青森県東方沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。岩手県内では、軽米町と一戸町で震度5強を観測。自宅で転倒するなどして久慈市、野田村、大槌町、奥州市であわせて4人がけがをしました。
そして、地震の発生からおよそ8分後。
防災無線「岩手県に津波警報が発表されました」
深夜に鳴り響いた防災無線。釜石市内では多くの人たちが高台に避難し、不安げにまちの様子を見つめていました。
避難した人
「寝てたんですけども、これちょっとやばいかなと思って起きてから」「警報に変わったんで、あわててちょっと上がってきたんですけども」
津波の高さは、久慈港で国内では最も高い70センチ。宮古、釜石、大船渡で20センチを観測しました。
久慈市津波避難ビルの 階段を昇る親子
「ずっと高いとこにいないとね、おっきい津波が来るから」
そして、沿岸部の12の市町村あわせておよそ7万1500人を対象に、避難指示が発表。避難所に最大およそ2500人が身を寄せました。
避難した人
「夜だったので、すごいびっくりしましたね。子どもも小さいし」
冬の寒い時期での避難となった今回の地震。避難所では毛布も支給され、避難した人が毛布をかぶって体を温めていました。
一方、久慈市内では、避難するためとみられる車で渋滞が発生。実際に車で避難した人は…
車避難した人
「このへん来て混んでいたからね」「20分くらいかな…」
津波の危険がある場合、国は原則『徒歩』での避難を呼びかけていますが、津波避難の課題があらためて浮き彫りになりました。
■宮古市臨港通 水門開く(午前6時30分ごろ)
原記者「さきほど津波注意報が解除され、こちらの陸閘も開いています」
一夜が明けましたが、本来、競りが行われている時間でも浜に活気はなく、漁業者は、被害確認に追われました。
漁業者
「(被害は)まだ分からない、沖に行ってみなければ」「いまワカメの種まいたばかりだからさ」「ロープ同士絡まったりするからそれが(心配)」
■宮古市 サケとめ場
原記者「宮古市の津軽石川のサケのとめ場です。画面奥から手前杭が倒れてしまっています。津波の影響だそうです」
サケの川どめ漁を行うこちらの組合では、今シーズン、昨シーズンの5分の1の漁獲量で過去最悪の不漁に頭を抱えるなか、漁に使う網を固定する杭のほとんどが倒されました。
組合長
「けさ7時すぎまでは何の被害もなく、これは良いなと思ってきたところ、7時半ごろ潮位が上がって波が出てきて、杭が軒並み倒された」「11月から鮭繁殖組合の漁獲になるわけだが、前日に大雨があり杭が一回流された。その一週間後に津波注意報が出て杭を何本か流された。また今回。一か月ちょっとで3回の被害を受け、サケが獲れない上にこのトリプルパンチ。非常に大きなダメージを受けているところです」
■久慈市門前午前9時30分
晴山記者
「ショベルカーで地面を掘り起こして損傷した水道管を探しているところです」
この地震で久慈市では水道管が損傷し、門前地区の5世帯が断水しています。復旧の目途は立っていません。また、軽米町でも水道管の損傷で上野場地区の60戸が断水し、給水ポイントを設けて対応しています。
◆盛岡駅改札
こちらはJR盛岡駅です。地震の影響で9日の始発から盛岡と新青森の間の上下線で運転を見合わせていた東北新幹線。午後3時37分の下り線から運転を再開しましたが、駅で足止めされた人も。
東京から函館に行く客
「朝起きたら地震で、電車が出ないということになった」「まさかこうなるとは思わなかった。なかなか人生でこんなことないですよね」
名古屋から青森・八戸に行く客
「3時以降、動くかどうか予定が見えないので」「レンタカー借りて八戸まで行って、お客さんと合流して」
そして、今回の地震で初めて発表されたのが…
気象庁の担当者
「本日、マル2時に北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表いたしました」
これを受け、釜石市内のホームセンターでは。店舗におよそ150種類の防災グッズをそろえますが、防災リュックなど、一部のグッズを客の目に触れやすい場所に移動しました。
Q万全ですか準備は?
客「準備は万全だね!」
サンデー・中村千明店長
「非常食を買いに来られるお客様が多いなと感じております」「供給が迅速に行えるようにしたいなと思います」
岩手県内に津波警報が出されたのはことし7月以来で、住民には再び緊張が走りました。
(12/09 18:57 テレビ岩手)
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