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「戦争は絶対だめだ」戦争遺児の元大船渡市長が八幡平市の中学生に平和の授業(岩手県)



 戦後80年、「戦争は絶対だめだ」と伝えました。戦争で父親を亡くした81歳の男性が15日、八幡平市の中学校で初めて平和の授業をしました。

県遺族連合会会長 甘竹勝郎さん(81)
「親から与えられたこの命、それぞれ、それぞれ、みな大切な大切な命なんだ…」

 元大船渡市長の甘竹勝郎さん、81歳です。甘竹さんが1歳の時に出征した父親の善治郎さんは、終戦の年・1945年にフィリピンでの地上戦で命を落としました。31歳でした。

 八幡平市立松尾中学校で行われた「平和の授業」は、戦後80年になるのを前に、八幡平市が初めて開きました。

 甘竹さんは10年前、父親が亡くなったフィリピンの地を初めて訪ね、思わず空に向かって叫んだと言います。

県遺族連合会会長 甘竹勝郎さん(81)
「一度はお父さんって言ってみたかった。一度はお父さんって呼んでみたかったからお父さ〜ん、お父さ〜ん、と力の限り、絶唱したんです」

 太平洋戦争などでおよそ3万8000人の県出身者の命が失われました。

「戦争は絶対だめだ!さんはい 戦争は絶対だめだ!戦争は絶対だめだ!」

3年 佐々木 こころさん
「自分で言葉にして【戦争はだめ】っていうと改めて実感が湧いたし、自分はこれからの将来、戦争を起こさないための欠かせない一人だということを実感できた。」

3年 林 紘太郎さん
「【戦争は絶対だめ】っていう言葉を学んだ。強い思いはすごく大事にしていきたい」

県遺族連合会会長 甘竹勝郎さん(81)
「若い方々、中学生などに戦争があった事実と平和の尊さを伝えていかないと、平和の尊さが薄れてしまうと。死ぬまで。終生。残された人生は、戦争のない地域社会の構築、平和の尊さを訴えていきたい、こう考えています」

 松尾中学校の生徒の代表は、10月の市の戦没者追悼式に初めて出席し、平和の尊さを未来につなぎます。


(07/15 18:41 テレビ岩手)

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