■全身に動物の爪による傷が 家の中でクマに襲われたか81歳女性死亡 周辺では自主避難所開設 岩手・北上市(岩手県)
4日朝、岩手県北上市内の住宅で、81歳の女性が血を流して倒れているのが見つかり、その後死亡が確認されました。女性の全身には、動物の爪による傷が複数あり、警察はクマに襲われたとみて、注意を呼び掛けています。
原周太記者
「北上市和賀町山口地区です。付近は田んぼや林が広がるこちらの住宅で人が襲われました。その女性は亡くなったということです」
4日午前7時半ごろ、北上市和賀町山口の住宅で、この家に一人で住む無職の橋成子さん81歳が居間の中央付近で血を流して倒れているのを、様子を見に来た息子が発見し、警察に通報しました。
橋さんは通報を受けて駆け付けた警察官や救急隊員によって、その場で死亡が確認されました。
警察によりますと、橋さんの全身には、動物の爪による傷が複数あったほか、家の中からは、クマのものとみられる足跡や体毛も見つかりました。
橋さんの自宅では、玄関の扉が開いたままになっていたことと、玄関以外に侵入の痕跡がないことから、警察はクマが玄関から入り込み、居間で橋さんを襲ったとみて調べています。
警察によりますと、和賀町山口地区ではこの1か月、クマが建物の中に侵入する事案が10件確認されています。
3日も近くの別の住宅にクマが侵入し、勝手口に置いていたコメ袋を食い荒らす被害が確認されました。
こちらの住宅には3日、一日で2回クマが侵入したということで、近隣では同様の被害がきのうまでに4日連続で発生しています。
これを受けて、北上市は4日、危機対策本部を設置し、現場の近くにわなを設置しました。
また、和賀地区交流センターなど市内3か所に自主避難所を開きました。
市によりますと、クマの被害を受けて避難所を開くのは、初めてだということです。
クマは捕獲されておらず、警察や市が周辺の住民に対して警戒を強めるとともに、不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。
岩手県は4月から県内に出していた「ツキノワグマの出没に関する注意報」を4日、「警報」に引き上げました。「警報」が出されたのは、おととし5月以来です。
(07/04 18:43 テレビ岩手)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)