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観光関係者も苦慮 どうするクマ対策(岩手県)



クマは24日も盛岡などで出没が確認されました。観光業への影響も懸念される中、一人一人がどう対策すべきか、県内を取材しました。

■10月14日花巻市・笹間保育園
「ちょっとまって」
「ガラス割ってくるからやめたほうがいい」
「ドンドンしてるドンドンしてる」

ドアのガラスに触れるクマ。建物の中に入ろうとしているのか。10月14日、花巻市内の保育園の敷地内に、クマが侵入した時の映像です。このとき、園ではおよそ40人の園児が昼寝の最中。

「すごい入ってきてる」

クマの侵入は防犯カメラがとらえていました。画面右上、柵の外をゆっくり歩くクマ。その後、開いていた裏口から侵入しそのまま敷地の中へ。

園長
「地域のおばあさんが。その方が保育園に入ってくるのを見届けてクマが入ったと教えてくれた」

園では防犯対策に力を入れていて、この日も職員がすぐ施錠などを確認しけが人はありませんでした。

■2023年・クマに襲われた映像
「はぁーはぁー」

人の生活圏に入ってくるクマにどう対処すればいいのか。これは、2023年岩泉町の山林でキノコ採りをしていた男性がクマに襲われた際の映像です。クマは抵抗する男性にひるむことなく、左腕にかみついたあと、遠くへ逃げていきました。

佐藤誠志さん
「ここに3か所キバが入って…」「1秒もない感覚で来ているスピードが早くてやられている瞬間も一切分からない。」

クマと出会い、攻撃してきた場合、両腕で顔や頭をカバーし、地面に伏せて身を守ることが大切です。

■24日八幡平市
野上記者
「八幡平市です。紅葉が見頃を迎え、秋の観光シーズン本番ですが、観光関係者は対応に頭を悩ませています」

八幡平市観光協会によりますと、市内の温泉旅館では、露天風呂に電気柵を設置したり、塀を高くするなど、準備を進めているということです。

八幡平市観光協会 海藤美香さん
「この八幡平エリアも狂暴なクマがいるのではないかと、心配な問い合わせがたくさん来ている」「このエリアでは大きな事件はないと伝えながら、これる人には来てもらって八幡平を楽しんでもらいたい。 でも、危険地域となったところにはみんな一丸となって、次の事故が起きないような取り組みを一緒にやってもらいたい」

また雫石町にある『「ゆこたん」の森』では、クマ対策として、露天風呂にネットやアクリル板を設置したり、建物周辺に電気柵を設置しています。

北上市で10月再開したばかりの夏油温泉観光ホテルでも、露天風呂を休止にし、爆竹を鳴らすなどして対策を取っています。

そして盛岡市で25日から開かれる「農業まつり」の会場は、23日クマが出没した中津川河川敷で、市では急きょ監視員を手配して対応することにしています。

■盛岡市内の販売店
市民の意識も高まっています。クマ対策グッズを扱うこちらの店では、販売用のクマ撃退スプレーは、すでに品切れ状態で、最近は市街地へのクマの出没を受け、通勤・通学用にクマ鈴などを買い求める人が増えているということです。

モンベル盛岡南店 石田太郎店長
「市街地にもたくさん出没が出てきているので、しっかり鈴をもったり備えを持って、クマはいるんだというのをちゃんと認知して落ち着いて行動してほしい」

クマの出没が相次ぐ県内。一人一人が万一に備え対策を講じていくことが大切です。

(10/24 18:59 テレビ岩手)

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