■岩手県内でも地震の爪痕 「後発地震注意情報」への備えも(岩手県)
青森県東方沖で発生した地震。軽米町で建物や道路への被害が確認される中、県内各地では「北海道・三陸沖後発地震注意情報」への備えが進められています。
原記者
「こちら地域の皆さんで利用する研修舘ですが、ガラスが割れ、棚が倒れ、本が散乱しています」
軽米町北部の上野場地区にある集会所です。軽米町では、県内で最も大きい震度5強を観測。床には割れたガラスの破片が散らばっていたり、大きな棚がいくつも倒れたりするなど、いかに揺れが大きかったのかがうかがえます。
隣にある消防団の屯所は、大きな窓ガラスが割れる被害のほか、2階に上ると、壁の一部がはがれていました。
軽米消防団 福田喜代志副団長
「(三陸)はるか(沖地震)と3.11、で今回ですけど、ここまでひどくなったことはないと思う」「(自分たちでの)修理は無理かなと」
同じ地区の町道は、地震の揺れによっておよそ40メートルに渡って道路に長い亀裂が入っていたほか、最大で30センチほどの段差ができていました。
8日の夜発生した青森県東方沖を震源とする地震。岩手県内23の市町村を含む多くの地域に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が初めて発表されました。国は、地震の発生から1週間程度は大規模な地震の発生に注意するよう呼び掛けています。
その中、宮古市の小学校では…地震の影響で9日、休校となりましたが、2日ぶりに子どもたちの姿が校舎にもどりました。しかし、「後発地震注意情報」の発表を受け、保護者からは不安の声が聞かれました。
保護者
「怖いんで気を付けてやっています」「子どもたちのことは一番心配なので、いつでも迎えに来られるようにとかという意識はちゃんとしてます」
こちらの学校では、津波の危険がある時には3階建ての校舎の最上階に避難することなどを定めたマニュアルなどを生かして、今後対応していくとしています。
宮古小・福徳潤校長
「これまでに備えてきたものを意識して」「冷静に対応していく」
こうした「備え」の動きは、県内の自治体にも広がっています。陸前高田市は9日午後2時、市の管理する施設の集会所に自主避難所を設けました。集会所にはテントや簡易的なベッドなどを設置。夜間も市の職員2人が待機し、24時間体制で避難者を受け入れます。
陸前高田市防災局 中村吉雄局長
「避難の準備の一環として、早めに安全なところに希望される方は避難していただきたいということで設けております」「いつでも不安になった時とか必要な時は、来ていただいても対応することは可能となっております」
そして、久慈市では…
防災無線「避難に必要な非常持ち出し袋や備蓄食料を確認しましょう」
防災無線で広く注意を呼び掛けました。さらに、市内にあるこちらの銭湯。
地震の影響でボイラーの管が壊れ、一時休業を余儀なくされましたが、9日昼すぎ修理が終わり、その日の夕方営業を再開しました。
水風呂は今も使えないままですが、施設の関係者は冬場のこの時期だからこそ自分たちにできることがあると、避難者を受け入れることを決め、仮眠室に毛布を準備しました。
古墳ノ湯 青松松男専務
「浜に近いものですから、避難の人たちがやっぱり多いんですよね」「暖かいところでお休みいただくのも結構ですので、利用してもらえれば」
「後発地震注意情報」について、国は巨大地震が必ず起こると予測するものではないとして、落ち着いて行動するよう注意を呼び掛けています。
(12/10 18:50 テレビ岩手)
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