■新ヘッドコーチ迎え上位進出へ 日本製鉄釜石シーウェイブス 震災から間もなく15年「勝つ姿でみんなにエネルギーを」 岩手県釜石市(岩手県)
特集は12月にシーズン開幕を迎えるラグビーの日本製鉄釜石シーウェイブスです。リーグワンが発足し5シーズン目。ここ3シーズンは入れ替え戦を戦う厳しい状況ですが、新ヘッドコーチのもと上位を目指します。釜石支局・柳田記者の取材です。
昨シーズン、8チームが所属するラグビーリーグワン2部で最下位に沈んだ日本製鉄釜石シーウェイブス。3年連続で入れ替え戦を戦い、2部残留を決めました。
リーグワンが発足してからヘッドコーチを4シーズン務めた須田康夫ヘッドコーチに代わり、トンガ出身で元オーストラリア代表、クボタスピアーズやトンガ代表のヘッドコーチを務めたトウタイ・ケフさんが新たなヘッドコーチとすることを発表しました。
ヘッドコーチ就任から4か月。その間、選手の特徴や相性を観察してきました。9月からここまでプレシーズンマッチを4試合、リーグワンの若手主体で行うリーグワンライジングで2試合を戦っています。ケフヘッドコーチはベテランと若手がうまく融合して いるという印象を持っています。
トウタイ・ケフヘッドコーチ
「見ての通りかなり粘り強いチームになると思います。良いチームだし全力で戦ってくれると思います。彼らはあきらめず釜石の人たちに誇りを感じてもらえる試合をしてくれると思います」
そして、ことしのチームの躍進のカギをにぎるのは、俊足のトライゲッター、紫波町出身の阿部竜二選手です。昨シーズンはけがで出遅れましたが、復帰後は高いパフォーマンスを見せ、最終戦でもトライを決めています。シーウェイブス唯一の岩手出身の選手としてサポーターからの期待も高まっています。
阿部竜二選手
「チームの目標としている4位以上というのは、個人的にも成し遂げたい目標なので、自分がは入ってから入れ替え戦を経験し、もうやりたくない気持ちがあるので、昨シーズンよりも勝利を重ねていきたい」
シーズン中に東日本大震災から15年を迎える今季。チームは11月、釜石鵜住居復興スタジアムで津波避難訓練を行い、試合開催日に津波警報が発生した場合、率先して来場者を避難場所へ誘導するための行動を確認しました。
シーウェイブスは震災直後、率先してボランティア活動などで市民を助け、地域とともに歩んできました。震災から15年を迎えるのにあたり、思いを強くしている選手がいます。2014年にシーウェイブスに加入した小野航大選手です。小野選手は東日本大震災で大きな被害を受けた福島県いわき市の出身。震災の被災地に特別な思いがあり、シーウェイブスに加入した当初、まだ釜石に爪痕が多く残る中、市民から大きな声援を受け、プレーを続けてきました。
小野航大選手
「震災から15年で街の復興だったり道路の復興というのは進んだと思いますけど、心の復興という意味ではまだまだな方もたくさんいますし、僕たちの活躍だったり、鵜住居スタジアムで勝つ姿を見ることで、そういう方たちにエネルギーを届けることが僕たちの使命だと思いますし、なんとしても今シーズンのホームゲームは勝つ姿をお見せしたい」
新ヘッドコーチのもと、勝負のシーズンに挑む釜石シーウェイブス。リーグ初戦は13日、東京で清水建設江東ブルーシャークスと対戦します。釜石鵜住居復興スタジアムでのホーム初戦は21日です。
(12/01 17:21 テレビ岩手)
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