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温泉旅館近くで男性1人の遺体発見 そばにいたクマ1頭を駆除 遺体の身元特定急ぐ 岩手・北上市(岩手県)



身元の特定を急いでいます。露天風呂の清掃をしていた男性従業員が行方不明になっている北上市の温泉旅館の近くで17日午前、男性1人の遺体が見つかり、そばにいたクマ1頭を駆除しました。

(クマ鈴)
ものものしい雰囲気に包まれたけさの温泉旅館周辺。警察と猟友会のメンバーがクマ鈴を鳴らしながら捜索へ向かう準備をしていました。

原記者「こちら男性が行方不明となった温泉旅館です。いま、警察と猟友会がこれから捜索を行います」

警察によりますと、遺体が見つかったのは17日午前9時ごろです。

栗谷川カメラマン「近くでは男性の遺体が見つかったそうです」

北上市和賀町岩崎新田の瀬美温泉の近くを流れる夏油川をはさんで対岸、露天風呂から直線で北西におよそ50メートル離れた雑木林の急斜面で、損傷の激しい男性1人の遺体が見つかりました。そのそばにクマ1頭がいて、逃げたところを猟友会によって駆除されました。

瀬美温泉では16日午前、露天風呂の清掃を1人でしていた60歳の男性従業員の行方が分からなくなっています。

せせらぎを楽しみながら四季折々の自然を満喫できる瀬美温泉は、夏油高原温泉郷の一角にあります。

警察によりますと、露天風呂には洗い場に血痕や、引きずられたような跡があったほか、つい立てのクギにクマのものとみられる毛がおよそ10本付いていました。

瀬美温泉に10月14日から2泊したという福島からの宿泊客が撮影した画像です。
10月13日の午前8時ごろ、男性用の露天風呂の川向かいにクマが出没したことを知らせる紙が館内に貼られていました。

福島から宿泊していた客
「(露天風呂に)入りたかったんですけどね。入らなかったんですよ。ちょっとやめておこうと思って。また来るなと思って。クマ。それで入らないで内風呂に戻ったんですよね。その時は。いや、まさか温泉まで襲ってくるっていうのは恐怖ですね」

栗谷川カメラマン「10月8日には瀬見温泉から西におよそ2キロの山林でキノコ採りに入った男性がクマに襲われ、遺体で見つかっています」

同じ個体かは分かりませんが、17日駆除されたクマは体長150センチほどの成獣でした。

和賀猟友会 鶴山博会長
「現場はやっぱり川からのぼりになっていて、こういうふうに樹木が生い茂っているところ、普通に森っていう感じですね。今回はそれこそ遺体の側にクマが居座っていたっていう感じで」

また、野生動物による農作物への被害に関する農林水産省のアドバイザーを務めている雫石町の谷崎修さんは、次のように話しています。

農林水産省農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー 谷崎修さん
「岩手県での被害のうち、約6割以上が里での被害になっています。さらに半分ぐらいが日没後、または日の出前っていう時間帯で人身被害起きてますので、やはりですね、里での被害対策としましては日没後、日の出前の活動は控えていただきたいと思います」

北上市危機対策本部は17日、会見を開き、これまでの経過を報告するとともに、クマのDNA鑑定を県環境保健研究センターに依頼したことを明らかにしました。

北上市の担当者
「鑑定結果が出るまでに1週間から10日かかるというふうに言われております。その鑑定結果が判明次第、また公表する予定でおります」

警察によりますと、17日見つかった遺体の服装と体格が、行方不明になっている男性と似ているということです。警察は21日、遺体を司法解剖して身元の特定と死因の解明などを急ぐことにしています。

(10/17 18:39 テレビ岩手)

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