NNNニュース

【クマはいつまで出没?】「年内は出没続く」「来年の春先も注意が必要」電気柵設置など地域ごとの対応が必要 岩手大・山内准教授が警戒感(岩手県)



3日も盛岡市の中心部でクマが目撃されるなど、師走に入ってもクマの出没が途絶えません。専門家は「年内は出没が続く」と話すとともに「来年の春先も注意が必要だ」と警戒感を示しています。

警察呼びかけ(12月1日)
「盛岡歴史文化館付近にてクマ、クマの目撃があります」

寒さが厳しくなってきても、市街地での出没が後を絶ちません。

岩手大学 山内貴義准教授
「(出没が多かった)2年前よりも数も時期も多くて長くなっている。おそらく12月いっぱいまでは出没が続く可能性があって」

盛岡市中心部では朝の通勤、通学の時間帯に連日、クマが目撃されています。

岩手大学 山内貴義准教授
「農村部は季節の移り変わりが早くて、農作物リンゴとかでも終わって、標高の低い、何かしら食べ物のあるところに集まってきている気はする。今の状況からすると、もうちょっと長引きそう。盛岡が非常に増えているので、警戒は緩められない」

3日から強い冬型の気圧配置となり、雪が降っているところもある県内。

岩手大学 山内貴義准教授
「『雪が降ったから大丈夫』という話はよくされるが、基本的に気温とか雪の量で冬眠が早くなるわけでない。標高の低いところを見ると柿の実はまだかなりなっているので、来る可能性はある。雪は早めに降るかもしれないが、クマはまだ出没する可能性はある」

来年の春先も警戒が必要です。

岩手大学 山内貴義准教授
「確実に言えるのは、来年の春先は出ると思う。春先は、ここ数年で連続、街中に出ている」

政府は11月、クマ対策の新たな対策パッケージをまとめ、冬眠中や冬眠明けのクマを対象に「春グマ駆除」を強化する方針を示しましたが、山内准教授は「効果は薄い」と話します。

岩手大学 山内貴義准教授
「まだ雪が残っている山に複数人のハンターが入って、足跡を追跡しながらクマを追いつめてって狙い撃ちする、かなり特殊な猟法なので、技術をもっているハンターがいない、何か対策はないかといって、意見聴取して、これ面白いという感じでトピック的に意見が上がったと思うが、やれるところはかなり少ない。成果は最初は出ない」

「災害級」ともいわれるクマ被害。個体数を減らすことが急務とも言われますが、「簡単ではない」と話します。

岩手大学 山内貴義准教授
「山で歩いて見かけるのがレア。たまたまライフル銃持っていて遠くから狙えるかというと、そういうわけでもない。わなで捕まえようと思っても箱わな、テレビとかでも出てくるが、捕獲率はあんまり高くない。平均すると2〜3割しかない」「置く位置を変えたり、エサを変えたり、エサの巻き方を工夫する、知恵比べしている、クマと。何か月かけて一頭を捕まえる。地味な作業の繰り返し」

このほか、山内准教授は、「個体数の把握など国主導の取り組みとともに、電気柵の設置など、地域ごとの対応が必要」と話しています。

(12/03 18:31 テレビ岩手)

TOP

Copyright(C)NNN(Nippon News Network)