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「おかえり」捺星さん14年ぶり家族のもとへ 震災で行方不明に遺骨引き渡し 母親「帰ってきてくれてありがとう」(岩手県)



14年ぶりに家族のもとに帰りました。おととし宮城県で発見された遺骨が、東日本大震災で行方不明となっていた山田町の山根捺星さん当時6歳のものと分かり、16日遺骨が家族に引き渡されました。母親は「帰ってきてくれてありがとう」と、涙ながらに遺骨を受け取りました。

山田町に住んでいた山根捺星さん当時6歳。14年前、祖母と2人で自宅にいたところ津波に襲われ、祖母は助かったものの、捺星さんは行方不明となっていました。

16日朝の山田町。

母・千弓さん(49)
「緊張しちゃって、あんまり寝つけなかった。早く会いたいという気持ち…」

家族が向かったのは、宮城県の南三陸町。おととし2月、建設会社が海岸付近で作業中に骨が見つかり、DNA鑑定などから捺星さんの下あごの一部と分かりました。

南三陸町警察
「当署管内で発見されたご遺骨が山根捺星さまと判明しましたので、お引き渡しします。長い間お待たせしました」

(涙流す)
母の千弓さんは涙を流し、捺星さんを抱きしめました。

母・千弓さん
「たった6年間という娘の育てる短さを改めて感じている。にこにこと『ママ』って言っているかなって想像している。がんばったなあという思い、『帰ってきてくれてありがとう』表面上は明るく過ごしているが、心の奥底には深い悲しみがずっととれないまま。一生この気持ちは抱えていく覚悟の思いでずっといた」

父・朋紀さん(52)
「やっと家に連れて帰れる。ケーキが大好きだったので、早くケーキを食べさせたい」

16日午後5時すぎ、捺星さんは家族と一緒にふるさと山田町の家に帰りました。

母・弓子さん「おかえり」(ケーキもって)「おかえり、捺星です」

仏壇には、大好きだった生クリームたっぷりの。ケーキが供えられました。

母・千弓さん
「返事はないが、これからもいっぱい話しかけたい。たぶんにこにこと聞いていると思う」

震災から14年7か月が経って、捺星さんの家族は、やっと「おかえり」が言えました。

(10/16 18:44 テレビ岩手)

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