■復興のシンボルとして歩み続ける“かわうちワイナリー” “中テレ祭り”での新たな挑戦とは 福島(福島県)
震災、原発事故で大きな被害を受けた川内村。
その復興のシンボルとして歩みを続けるのが「かわうちワイナリー」です。
村でブドウを栽培しワインを造っています。
5日から始まる「中テレ祭り」で新たな挑戦をすることになり、野尻キャスターが取材しました。
隠れた絶景スポットがあると聞いて、やってきたのは、川内村。
野尻「標高およそ750メートル、やまびこが返ってきそうなのどかな景色に囲まれてぶどう畑が広がっています。かわうちワイナリーにやってきました」
栽培されているのはワイン用のブドウです。
こちらは、村を復興させようと立ち上がった「かわうちワイナリー」です。
野尻「ワイナリーを初めてここまで道のりはいかがでしたか?」かわうちワイン統括マネージャー 遠藤一美さん「たくさん困難を乗り越えてようやく今に至っている。ようやく安定的に毎年ぶどうが採れる状況になってきている。」
ワイナリーが設立されたのは2011年の東日本大震災と原発事故から6年後。
全国一のワイン産地である山梨県の技術をとりいれながらブドウの栽培が始まりました。
天候不順で思うようにブドウの収穫ができない年もあったと言いますが…2022年にようやくワインが完成。
原発事故後、一時は全村避難となった村が復興へ大きな一歩を歩み始めた瞬間でした。
最近では、関東を中心にイベントなどでワインを販売し全国に魅力をPRしています。
お客さん「本当においしいワインで飲みやすい感じだったんで」
11月には、ワイナリーのぶどう畑でこんなイベントも…。
参加者(東京から)「すごく気持ちがいいです、少なくとも東京でこういう場所を見つけようとしたら大変なので。ちょっと味見したが、甘くてこれが、あとからワインを飲むがすごく楽しみです。」
人手が不足する被災地。それを逆手に取った企画で、ボランティアをしながらワイナリーの絶景、そしてブドウの収穫を手伝いを楽しんでもらおうというのです。
参加者(東京)記者「やってみてどう?」女の子「手がべたべたになった」お母さん「気持ちいいですね、ワインが飲みたくなった」
ボランティアの中には、この方も。
川内村 遠藤雄幸 村長「震災後立ち上げた新しい産業ですけど、少しずつ認知度も高まって、マリアージュ、その他の川内村の特産品や観光などにも繋がっていけばいい」
収穫したブドウを使い、今年もワイン造りが始まっています。
かわうちワイン統括マネージャー 遠藤一美さん「収穫したブドウをステンレスタンクでアルコール発酵させている状況。新酒はまもなく販売予定で、今はもう瓶詰が終わっていて後はラベルを張って出すような状況」
ワインを試飲をさせて頂くと…野尻「華やかな果実の香り、酸味がはっきりとしていてさっぱり感が感じられます」
幼少期をイギリスで過ごした野尻キャスター、ヨーロッパならではのワインの楽しみ方は…
野尻「クリスマスに向かうこの時期は海外ではホットワインとして、ワインを飲む文化があるが、かわうちワインではそういった飲み方を試したことはありますか?」かわうちワイン統括マネージャー 遠藤一美さん「実はまだ試したことがないので、ぜひチャレンジしたいと思いまして…」
ワインを温めて飲むホットワインです。
初の試みと言うホットワインに使うのは川内村産の赤ワイン=「メルロー」。
県産のリンゴとジュースさらにシナモンスティックを加えて、アルコールや風味が飛ばないよう鍋でじっくりと温めます。
その味は…
遠藤さん「出来上がりました」野尻「ありがとうございます、もう香りがすごく広がっている、いただきます。全然表情が変わりました。甘みと香りがより強く感じられます。酸味はとてもまろやかに変化しました。元のワインもおいしいが、ホットワインにしてまた印象が変わってその変化も楽しめます」
このホットワイン。5日から始まる「中テレ祭り」のクリスマスマーケットの中でも1杯500円で楽しむことができます。
かわうちワイン統括マネージャー 遠藤一美さん「なかなかワインって年代が高い人が買って飲むイメージですけど、もう少し若い人にも気軽に飲んでもらいたいというところでホットワインを提供させていただければ」野尻「今後の目標は?」遠藤さん「おいしいワイン作りのためにはブドウが一番ですので、ブドウ栽培を頑張りながらおいしいワインを作っていきたい」野尻「川内村の魅力を背負って県内外、そして海外にも魅力が広がっていくといいですね」遠藤さん「地道にコツコツと頑張っていきたい」
復興のシンボルとして歩みを続けるかわうちワイナリー。新たな挑戦にも注目が集まりそうです。
(12/03 18:47 福島中央テレビ)
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