■「3千円台だったら買おうかな…」新米を扱う飲食業界も負担の増加 福島(福島県)
県内でも、ことし収穫された新米の販売が本格化していますが、米の価格は依然、高止まりが続いています。私たちの生活にも大きな影響が出ていますが、新米を扱う飲食業界も負担の増加で苦境に立たされています。
向かったのは、大玉村の直売所。
■大川悠輔記者 リポート
「大玉村の直売所にもひとめぼれやコシヒカリなど新米が並んでいます」
店頭に並ぶのはことし収穫された「新米」です。コシヒカリやひとめぼれなど今、主力品種の販売が本格化しています。「令和のコメ騒動」で品薄となった去年とは違い、ことしは安定的に米が供給されているといいますが気になるのはその価格。米を買いに来た人からは…
「3千円台だったら買おうかなと思いながら見ていたんですけど」「4千何百円だとちょっとね…」「3千円台だと助かりますよね」
この日、直売所で販売されていた新米の価格は5キロでコシヒカリが「4500円」、ひとめぼれは「4300円」。去年と比べると1.5倍ほどの高値となっています。
■あだたらの里直売所 矢吹 吉信 店長
「10月からまた色々な物価が上がって、消費者も苦労しているところで、また主食のお米が上がったということで、非常に販売者としては心苦しい、申し訳ない気持ちもあるが、やはり昨今の情勢を考えると、こういった価格になってしまう」
ことしのコメの収穫量は全国で1割ほど多くなる見通しですが、集荷競争が激化しているため、コメ価格の高止まりが続いているとみられます。
■あだたらの里直売所 矢吹 吉信 店長
「いくらが適正なのかわかりません。消費者にもおいしいものをある程度、お買い得価格で提供できれば一番いいんですが」「今後お米が揃って稲刈りが終了してから、もうちょっと価格が見えてくる」
一方、影響は新米を扱う飲食業界にも広がっています。こちらは福島市を中心に弁当などを製造・販売する「松月堂」です。定番の唐揚げ弁当などを600円ほどで販売していて、昼時には多くの客が訪れます。
「色々なところに松月堂のお弁当が売っていて、よく買います」「ボリュームがあっておいしいです」
中でもこだわりは弁当に使う「コメ」。毎年9月ごろから新米を使って提供してますが、ことしはその価格が高騰していて、大きな影響が出ていました。
■松月堂 高橋 聡子さん
「お米が去年より1・5倍になって何とか今は企業努力で持ちこたえています」
年間250トンほどの米を仕入れている松月堂ですが、新米の高騰で“仕入れコスト”は去年と比べて1.5倍ほどに膨れ上がっているといいます。
■松月堂 高橋 聡子さん
「来年はこのままだと(弁当を)値上げせざるを得ない」
はたして、コメの価格はいつになったら落ち着くのか…新米を扱う店側の苦悩が続きます。
(10/20 18:46 福島中央テレビ)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)