■「再生可能エネルギーの最先端の地・福島になる」バイオエタノール車が公道を初走行・福島(福島県)
世界のカーボンニュートラルに貢献できるかもしれない。
そんな次世代燃料がここ、福島で研究開発されています。
この先の実用化に向けて、この燃料を使った自動車が初めて公道を走行しました。
多くの人に見守られながら大熊町の施設を出発した車。一見、普通の車に見えますが使っている燃料が珍しいんです。
それが植物由来の燃料「バイオエタノール」です。
■次世代グリーンCO2燃料技術研究組合 保谷 典子 さん
「バイオエタノールをカーボンニュートラル燃料、環境に優しい燃料と定義しています。こちらをガソリンと混合して低炭素ガソリンとして車に使用することができます。」
バイオエタノールは燃焼時には二酸化炭素を排出しますが、生育過程で大気中の二酸化炭素を吸収するため脱炭素化につながる“次世代燃料”として注目されています。
この原料となっているのが、ソルガム。ソルガムは食物が育たないような荒れた土地でも育つのが特徴で、今回、燃料に使われるのはすべて浪江町で栽培されたものです。浪江町産の原料を使い大熊町の施設で製造する正真正銘、福島産の次世代燃料。
■大熊町 吉田 淳 町長
「今回のデモ走行を含めまして、今後のバイオエタノールの活用に向けて期待が高まります」
この施設では自動車メーカーなどが共同でバイオエタノールを効率よく低コストで作るための研究や開発を進めていて、今後、自動車の燃料として実用化されることも期待されています。
■次世代グリーンCO2燃料技術研究組合 中田 浩一 理事長
「最初はソルガムで進めて参りますが、そのあとは色んなものを使って研究の幅を広げてやっていきたいと思っています。国内あるいは海外のほうにも展開して、世界のカーボンニュートラルに貢献していけるのではないかと考えています」
世界のカーボンニュートラルに貢献する燃料へ。
福島産バイオエタノールを使った車は、この日、初めて公道に出て大熊町から福島市までの約100キロの道のりを走り切りました。
■県 企画調整部 佐藤安彦 政策監
「原子力災害で本当に苦しんだ浜通りにおいてこういった取り組みがなされ、形になっていく非常に大きいことだと考えています。再生可能エネルギーの最先端の地・福島になると世界に伝わっていけば、必ずや福島の復興はもっともっと前に進むと考えています」
世界で注目が集まる次世代燃料・バイオエタノールの実用化に向けた取り組みがここ、福島から始まっています。
(10/16 18:43 福島中央テレビ)
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