NNNニュース

「2時間後に電話が使えなくなる」詐欺の電話 県警が公開した音声データからは“巧妙な話術”(福島県)



「2時間後に電話が使えなくなる」私の周りでも、こうした電話がかかってきたという声を耳にします。もちろんこれは詐欺の電話で、最終的には警察官を名乗る男が「捜査」と称して個人情報や金銭を要求してきます。福島県警が公開した音声データからは、詐欺を働く側の巧妙な話術が見えてきました。

「電話が使えなくなる」。2025年2月、自動音声でそんな電話がかかってきた県内の40代男性は、指示通り通信事業者を名乗る男とやりとりを始め、名前や生年月日を伝えたといいます。

「不正契約されている」「犯罪性がある」不安をあおるような言葉でまくしたてると、今度は「福岡県警」と名乗る男が電話口に現れます。

福岡には行けないという男性に男が提案したのは、SNSアプリ「LINE」を使ったビデオ通話でした。

男性は、男から行動歴を逐一報告するよう求められたことから不審に思い、警察に相談したことで詐欺の被害は免れたといいます。

身近に利用しているサービスが犯罪に関わっているなどと嘘をつき、その後、警察官を名乗って金銭を要求する。「なりすまし詐欺」の典型的な手口だと警察は指摘します。

■県警本部 生活安全企画課 津田智宏 調査官
「あなたが捜査の対象になっているとか、あなたの口座が悪用されているとか、身の潔白を証明するためにはお金を振り込んでくださいといった手口もあるので、そういった場合も詐欺を疑ってほしい。もちろん警察が現金を要求すること自体ありえない話」

警察官を名乗る詐欺の電話について、見破るポイントはあるのでしょうか。

■県警本部 生活安全企画課 津田智宏 調査官
「SNSのアプリを使って警察が事情聴取を行うこと自体ありえない、警察がアプリで警察手帳や逮捕状を示すこともありません」

どんな電話であっても、お金を要求されたら、必ず家族や知り合い、警察署などに相談することが大切です。

【県警担当川上耕平記者の解説】
なりすまし詐欺は、年々いろいろな手口が出ていて効果的な対策を講じるのも、いたちごっこという印象は拭えませんが、詐欺グループもIT技術を駆使して市民をだまそうと巧妙な手口を使っています。

最近では、実在する警察署の番号が相手の電話に表示されるように偽造して、警察官になりすます手口も横行しています。県警によりますと、県内にも、実在する他の県の警察署の電話番号がナンバーディスプレーに表示されたといいます。

詐欺だと見抜くポイントは、やはり「会話の中身」です。警察官がお金を要求したり、キャッシュカードやクレジットカードの番号を聞き出したりは、あり得ない話だということを覚えておいてほしいです。

警察は「不正だ」とか「犯罪に関わっている可能性がある」なんていう電話があった場合は、一度電話を切って、最寄りの警察署や警察相談ダイヤル「#9110」を活用してほしいと呼びかけています。

(2025年4月30日放送「ゴジてれChu!」より)

(04/30 18:45 福島中央テレビ)

TOP

Copyright(C)NNN(Nippon News Network)