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「本を通して知らない人と出会える…」新たな“まちの本屋さん”・福島(福島県)



インターネットの台頭もあり年々、減ってきている書店。
ただ、県内には様々な工夫のもと新たにオープンしているお店もあります。

読書離れが叫ばれる中、書店の数も激減の一途をたどり、全国ではこの10年でおよそ4000店舗が閉店。書店がない市町村も増えていて県内では半数近くの自治体に書店がありません。

そんな中でも県内には新たに「まちの本屋さん」が生まれていて、そこでしか味わえない魅力が詰まっています。

福島市の住宅街に2024年オープンした「はなみずき書店」

■はなみずき書店 荒木康子さん
「はなみずき書店なので植物関係の本も置いてあったり農業の本があったり」

店主の荒木さんは元県立美術館の学芸員。
店内には荒木さんが選んださまざまなジャンルの本、約1000冊が並びます。

■はなみずき書店 荒木康子さん
「正直言ってそんなに本の虫ではなかったんですけど。本が身近にあることが結構好きだったのかなって」

美術館を退職後、ずっとあたためていた「本屋さん」の夢を叶えた荒木さん。

■はなみずき書店 荒木康子さん
「やっぱり本の手触りっていうものは何物にも代えがたいものがあって、紙の手触り、本の重さとか、表紙もいろいろありますし、そうしたものとしての本っていうのは手放せないものだなっていう実感があって」

表紙やカバーを含め1冊1冊工夫を凝らして作り上げられた本は、まさに芸術品。
実際に本を手に取ってほしいと自宅を改装し、お店をオープンしました。
お店で過ごす時間を楽しんでもらうため、県内各地からセレクトしたドリンクも提供しています。

■はなみずき書店 荒木康子さん
「面白いものに出会えたり面白い人に出会えたりそういう場所になれればなと思ってるんですけどね」

一方、こちらは、シャッターが閉まったお店も多く少し寂しい、田村市船引駅前。
そんな中でも笑い声が響く場所があります。2023年誕生した「シェア型本屋アルマティエ」です。
実は店内に並ぶこの棚1つ1つが、オーナーのいる小さな書店なんです。

■棚主・國分敏夫さん
「空き家の問題、空き店舗の問題を解決できるような本をチョイスしている」

■棚主・佐山浩一さん
「こちら、あおぞらの学び舎という名前で、本棚を借りてお店を開いておりました。これまで読んできたものでみんなと共有したいものをここに入れている」

本のセレクトやレイアウトはすべてそれぞれのオーナーの自由。
たくさんの人の「好き」が並んでいます。

■棚主・國分敏夫さん
「シェア型本屋さんの一番の価値は人と人とが繋がれるのが価値だと思う。本を通してコミュニケーションが出来たりとか知らない人と出会えるのですごくいいなと思った」

それぞれのオーナーはこの場所で、イベントを開くこともでき、本をきっかけに人とのつながりや町のにぎわいが生まれる場所になっています。

■訪れた人は
「ここに来ると自分の好きな本とかがあって嬉しくなったりとか心が落ち着く場所です。本が好きな人たちで集まるコミュニティー少ないなと思うので、そういう人たちが集まれるのは珍しいし面白い」

本を売る場所から新たなコミュニティーを生み出す場所へ。
「まちの本屋さん」の役割が広がっています。

(07/08 18:46 福島中央テレビ)

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