■危険がたくさん潜む夜の車の運転 “秋・冬の夕方”は要注意 ライトや服の色を意識していますか? 福島(福島県)
日が暮れるのが早い今の時期は車の運転は注意が必要です。
10月に福島県内で発生した車と人との交通死亡事故のうち、いわき市と郡山市の事故はいずれも「午後5時ごろ」「午後6時過ぎ」と、日没から間もない時間に起きています。
事故の原因は捜査中ですから一緒くたにはできませんが、夕暮れ時は車の運転も歩行者も注意が必要なんです。
警察庁のまとめによりますと、1日の中で最も事故が多いのは午後5時から7時の時間帯。
月別で見ると10月から12月にかけて事故が多くなるといいます。
つまり、いまの時期の夕方は事故が起きやすい、最も危険な時間帯になるのです。
夜は車や人、周囲の景色も見えにくくなります。
夜の車の運転に潜むリスクを学び安全運転につなげてもらおうと、郡山市である体験会が開かれました。
10月21日、郡山市の運転免許センターで行われたある体験会。
警察官「三角コーンが何本見えるのか、何色に見えるのか体験していただければと思います」
日が暮れるのが早まり、事故が増えるいまの季節。
夜の車の運転が、いかに見えづらいのかを確認するというものです。
まずは、色の違いでどれだけ見え方が変わるかの実験。白や黄色、赤など歩行者の服の色に見立てた三角コーンを置いて、40メートル離れた場所から車のライトをロービーム=下向きで照らします。すると…。
警察官「一番左、何色でしょうか?」参加者「白?」
白や赤といった明るい色はかろうじて見えますが、グレーや茶色のような暗い色はほとんど見えません。
つまり、そういう色の服を着ていると、歩行者はドライバーに気づかれにくいということ。
同じ状況で、今度はライトをハイビーム=上向きにしてみると…先ほどよりも幾分見えるようになりました。
ドライバーが 歩行者をいち早く発見するためには、状況に応じてライトを上向きにするのが有効だということが分かります。
ところでこの実験。ドライバーが見落とすと、重大な事故につながるある仕掛けが用意されていました。それが…。
参加者「寝てる人いるな」
赤と黄色の間には暗闇では極めて見えにくい黒色の三角コーンがあり、さらにその奥には道路に寝ている人がいたのです。
道路に横になっている人がはねられる事故は決して珍しくはなく、ライトの向きを適切に切り替え、視野を広くして車を運転する必要があります。
参加者「スピードを出すと、気がつくのが遅くなってしまうので。田舎道でも夜でもスピードは出さないようにしようと思いました。」
参加者「ロービームハイビームの切り替えをこまめにやって、いち早く横断者の発見に努めていきたいと思います。」
ただ、ライトをつければ安心かというと、そうではありません。
自分の車のライトと対向車のライトが重なる場所に歩行者がいると、見えなくなってしまう「蒸発現象」が起こる場合も。
あらゆるところに危険が潜む夜の運転。
スピードを出しすぎないのはもちろん、事故を防ぐために危険を予測する運転を心がけましょう。
福島県警察本部 交通企画課長 佐久間正和 さん「早く歩行者を発見するにはハイビームを活用して欲しいと思いますし、歩行者には明るめの服とか反射材、携帯電話でいいのでライトを使って車に早く発見してもらう、そのような努力をしてほしいと思います。」
(10/23 18:56 福島中央テレビ)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)