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「自分にしかできないプレー」利き腕の筋力低下する病気…それでもレギュラーで 福島(福島県)



きょう注目するのは郡山商業対会津高校の一戦です。会津高校のキャプテン原選手は、利き腕の筋力が低下する病気に見舞われながらも、レギュラーの座をつかみ、試合に臨みました。

あいづ球場で行われた2回戦。前回大会のベスト8を破り勢いに乗る、郡山商業。対するは地元の会津高校です。今年創立135年、会津の伝統校「会津高校」。

「試合の時イメージしてコミュニケーションよく行きましょう」

メンバーはほとんどが地元・会津出身です。その選手たちをまとめ、チームを牽引しているのが3年生の原武選手。

■会津高校 皆川俊哉監督
「私がいなくても練習が成り立つくらいほんとに頼りになるキャプテンです。私も頼りにしているキャプテンです」

■会津高校3年 星楓選手
「入試が一緒だったんですけど、入試の時からいいなって、キャプテンだなって思ってました」

誰もが認めるチームの大黒柱です。

■会津高校 3年 原武 主将
「自分の力だけじゃなくてチームの協力で試合に勝っていくってところが面白いと思っています」

いまでこそ笑顔で野球に取り組めていますが、ここにたどり着くまでには大きな苦難がありました。

■会津高校 3年 原武 主将
「握力がなかったり、しびれが起こってしまったりというのがありました」

握力の低下や指をよく伸ばせないなどの症状が現れる「平山病」を右腕に抱えているのです。特に辛いのは、気温が下がる冬。

■会津高校 3年 原武主将
「冬場症状が強くなってきたときに周りのチームメイトが能力をあげていっていて、そこでの差異に劣等感を抱いてしまって辞めたくなった時期はありました」

高校球児として致命的な利き腕の病気。一度は野球を辞めることを考え、去年秋におよそ4週間、休部して自分と向き合いました。そして、「野球を続ける」という選択肢を選びました。

■会津高校 3年 原武主将
「左投げ転向を試みたことがきっかけでまた野球の面白さが一からわかって」「一緒に練習してくれた仲間とまた野球やりたいって思ったことがきっかけで頑張ろうと思えました」

仲間と共にもう一度、グラウンドで戦うために。身につけたのは…打球を左腕で取り、左腕で送球!グローブを瞬時に脱ぎ捨てることで可能になる原選手だけのスタイルです。

■会津高校 3年 原武主将
「世間ではハンディキャップとして見られるとは思うんですが自分のなかでは一個性として、自分にしかできないプレーがたくさんあることにここまで野球をやってきて気がつけているので 他の人よりもその個性を光らせて自分自身の存在意義をグラウンド上で存分に発揮して 一番は楽しんで野球やっていきたいなっていうのがあります」

きょうの試合。原選手は1番レフトで出場しました。試合は、1回オモテ郡山商業の攻撃、1番管野がセンター前で出塁すると…1アウト満塁のチャンスでバッターは、5番米倉!

♪「カキーン(レフト前)」

6番、佐藤陽弥も続き初回から郡山商業が一挙4点をあげます。その後も郡山商業がリードし、6対2で迎えた5回ウラ。会津の先頭バッターはキャプテン原!スタンドからは2つ上の兄・太一さんも見守ります。

■原主将の兄・太一さん(大学2年・19)
「小さい頃からずっと一緒に…」「頑張れってってだけ…」

内野安打で出塁!さらに!得意の足を使ってチャンスを広げます。そしてノーアウト3塁、1塁のチャンスで会津は3番の水下!これが犠牲フライとなりキャプテンの原がホームに生還!3点差とします!

■原選手
「よっしゃー!」

しかし、郡山商業も得点を重ね…4点差のまま、迎えた9回ウラ、会津は最後の攻撃です。ここで先頭バッターはキャプテンの原!フルカウントから…ボールを見極め出塁します。その後、ノーアウト満塁とチャンスを広げた会津。

?3塁からバッターへ声をかける原選手「笑顔で!」

バッターは4番、皆川!

♪「カキーン」

ライトへのタイムリーヒットで、1点返すと!続く5番は代打の齋藤大希!6番の星も内野安打を放ち!これで、1点差!!ただ…会津はあと一歩及ばず…8対7、郡山商業が3回戦へ駒を進めました。

■会津高校 原武主将(3年)
「これまでの野球人生、これからも続くかもしれないんですけど、頑張ってよかったなって気持ちでいっぱいでした」「いろいろな面でかなり苦しんだ時はあったがチームのみんなに仲間に支えられてここまでできたので本当に幸せな3年間でした」


(07/15 18:48 福島中央テレビ)

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