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「今は立場が変わって患者として…」ALSの木村医師が伝えたいこと 福島(福島県)



難病と向き合い生きる医師が小学校で特別授業を行いました。

先月、いわき市内の小学校。

■木村守和さん
「本日はお世話になります。よろしくお願いいたします」

講師は、この小学校の卒業生でもあり、長年、いわき市の診療所で地域医療に取り組んできた医師の木村守和さんです。

■木村守和さん
「きょうは難しい病気でも生きていくために病気の人に関わる色々な仕事についてお話します」

木村さんはおととし、ALS=筋萎縮性側索硬化症と診断されました。全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病で根本的な治療法は見つかっていません。国内には1万人県内には170人ほどの患者がいると言われています。病気が進行し、いまはもう、医師として患者を診ることは難しくなりました。それでも地域医療に貢献したいと木村さんは、自分の病気や医療について各地で講演活動を行っています。この日は、母校で子どもたちに向けて特別授業を行いました。

■木村守和さん
「病気で体の動きが悪くても家で過ごしたい人を支えることが出来るようにしたいと思っていました」「今は立場が変わって患者として医療・介護の仕事の皆さんに支えてもらっています」

授業では、子どもたちからの質問も。

■児童
「先生が車いすに乗っているのって大変なんですか?」「健康に生活するためにはどんなことをすればさらに健康になれると思いますか」

病気の進行に伴い気管を手術した木村さんは声を出すことが出来ません。授業は事前に収録していた映像や音声で行っていますが、子どもたちからの質問にはその場で回答を作ります。使うのは視線の動きで文字を打つことが出来るパソコンです。打ち込んだ文字を病気が進行する前に録音していた自分の声で再生します。

■木村さん
「車いす生活は大変です。」「健康に生きていくために必要なことについてです。」「好き嫌いをせずに食べること体を動かすことが大事です(6秒)」

授業を聞いた子どもたちは…■児童
Q「先生の病気、ALSというんですが知っていましたか?」「知らなかったです」「難しい病気のなかで頑張って生きているのが素晴らしいと思いました」「ちゃんとこれから生きようと思いました」

自らの病と向き合い生きる木村さんの授業が、自分の命や健康について考えるきっかけとなったようです。

■いわき市立四倉小学校 菅家章一校長
「地域の方々のためにという奉仕の心といいますか、周りの方々を考える気持ち、そんな気持ちを感じ取って欲しいなと思いますし、今後折をみて木村先生のことを話題に出しながら子どもたちに話をしていきたい」

■木村さんに手を振る子どもたち
「ありがとうございました」


(12/09 18:53 福島中央テレビ)

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