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若者の投票率をあげるためには 専門家に聞く【徳島】(徳島県)



参議院選挙の投票率は、徳島・高知が合区になった、2016年から全国最低の水準となっています。

特に若者の投票率は、県全体の投票率に比べて大幅に低く、若者の投票率の低下は深刻な状況です。

(記者)
「投票行きますか?」

(学生)
「行きます」
「日曜日の投票日に行きます」
「自分の意見を投票できる場だと思っているので、将来のためにも行こうと思ってます」
「候補者、誰が何を言ってるかとかは詳しく知らない」

選挙に行くという学生がいる一方で、候補者についてよく知らないという学生も。

参議院選挙徳島選挙区の投票率は、1974年の78.46%をピークに減少傾向が続いていて、高知との合区になってからは50%を下回り、全国最低の水準となっています。

なかでも18歳から20代の投票率は約30%と、県全体の投票率に比べて大幅に低く、若者の投票率の低下は深刻な状況です。

(鳴門教育大学・山本準 名誉教授)
「若年層というのは、これからの社会を作っていく世代なんですよね」
「ところが、その若年層の投票率がどんどん下がってしまう」
「本来、社会の中心になっていくはずの若年層の意見が、ほとんど政治的に反映されないということになる」
「これは、政治を歪める大きな要因になる」

こう語るのは、社会学が専門の鳴門教育大学山本準名誉教授です。

山本名誉教授は、投票率を上げるためには、教育が何より大切だと言います。

(鳴門教育大学・山本準 名誉教授)
「有権者教育として、高校生にも模擬投票させたりとか、かなり頑張っている」
「頑張ってはいるんですが、なかなか(投票率が)上がらないということになると」
「もっと、有権者教育をしっかりとやることと、中学生や高校生の間に地元の祭りに参加させるとか」
「郷土の中で、なにか社会を作っていくという経験できれば、それは当然投票へ行く行動に繋がると思う」
「だからいずれも、息の長い時間をかけたことをしっかりとやっていかないと」
「投票率を上げていくというのは、なかなか難しいかなと思います」

県選挙管理委員会も、若者や子育て世代の投票率を増やそうと様々な取り組みを行っています。

県出身のイラストレーター「佐藤なつみ」さんのイラストが描かれたチラシや、マスクなどを県内の商業施設や大学で配ったり、四国大学書道文化学科の学生らと共に、迫力ある書道パフォーマンスで、若者に向けた啓発メッセージを発信したりしています。

(県選挙管理委員会・粟田真穂 主任主事)
「一票っていうのが、自分の意思を表明するきっかけになると思いますので、その一票を社会に向けて発信してもらいたい」

投票を呼びかける一方で、情報の精査が必要だと山本名誉教授は言います。

(鳴門教育大学・山本準 名誉教授)
「本来なら政治というのはもっと複雑なものですから、ゆっくり時間をかけて説明したりとか」
「しっかりとした文章で、マニフェストを出したりするべきものなのですが、SNSではそこまで見られないですよね」
「若い人たちには、SNS使うのも非常に有効なのですが」
「フェイクニュースに惑わされない、情報の裏をしっかり自分で管理する、確認する、というようなリテラシーをしっかりとつけてもらいたい」

参議院選挙は7月20日に投票が行われ、即日開票されます。

(07/15 18:30 四国放送)

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