■医師で柔道家 74歳になっても世界の頂点目指す【徳島】(徳島県)
御年74歳を迎えて、柔道の世界で頂点を目指す男性がいます。
積極的に体を動かし汗を流すことで、健康寿命を延ばすために体を動かすことの大切さも訴えます。
男性の柔道にかける思いを取材しました。
若き柔道家を熱心に指導するのは、柔道家の永廣信治さん、御年74歳。
永廣さんは11月、フランス・パリで行われた30歳以上で初段以上の選手が出場する、世界ベテランズ国際柔道大会に出場。
70歳以上の66キロ級で、世界の強豪選手を相手に銅メダルを獲得しました。
(柔道家・永廣信治さん(74))
「目指していたのは金メダルだったのですが、相手が元オリンピック選手だったということと」
「60歳代でも優勝している人で強かったと思います.。まぁあまり悔いはないですね、一生懸命やったので」
熊本県出身の永廣さんは、小学4年から柔道を始めました。
高校では、九州大会で優勝するなど、柔道家として数々の実績を残してきました。
徳島に移り住んでからは、競技者でありながら後進の指導にもあたっています。
今は週に2回、職場近くの武道場で次世代を担う若き柔道家の育成に力を注いでいます。
「送り足払い」
「それから支え釣り込み足」
永廣さんがパリの大会で銅メダルを獲得した技を習得しようと、選手たちは真剣に取り組んでいました。
(指導を受ける選手は)
「とてもありがたいと思います」
「永廣先生が指導してくれることを誇りに思って、練習していきたい」
「永廣先生も強い先生ですけど、いつか僕も永廣先生を倒すようになりたいです」
柔道家の永廣さんには、もう一つの顔があります。
北島町の吉野川病院で病院長を務めながら、脳神経外科の医師として働いています。
(永廣信治さん(74))
「片方の手でこれ持ってみましょう。手を伸ばして、これを丸めていきます、この時に指を使って手繰っていき、丸めていきます」
「しっかり握ってつぶします。1日に右手3回、左手3個、継続的にやっていくと、ここの力がついていきます」
「脳についても、脳のボリュームが増えてくると言われています」
また、永廣さんは定期的に講演も行い、医師の立場から認知症や心身の衰えを予防し、健康寿命を延ばすために体を動かす大切さを患者に伝えています。
(記者)
「医師と柔道家の両立について」
(吉野川病院・永廣信治 病院長)
「体を動かせるということが、非常に幸福感があります」
「ただ、時間を見つけるのが、日々仕事をしているので大変なのですが、朝の早い時間とか仕事を終えた夕方とか」
「そういう時に、柔道とかトレーニングをしています」
(記者)
「おはようございます、走ってきたのですか?」
(吉野川病院・永廣信治 病院長)
「そうですね、近いですから5分くらいです」
医師として手術を担当していた頃は、ケガで手術に支障をきたさないように、大会に出ることはほとんどありませんでした。
しかし、手術を離れ70代となった今、再び柔道に対する情熱に火が付きました。
大会出場を本格化させ、日本マスターズでの連覇や、国際柔道大会でメダルを獲得するなど、輝かしい成績を残し続けています。
そして2025年5月、生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ2025」で、並居る世界の強豪を相手に圧倒的な強さで世界の頂点に立ちました。
(柔道家・永廣信治さん(74))
「それぞれ一本勝ちで非常に良い結果でしたし、マスターズのオリンピック的な運動会という意味合いですので、楽しみにして行きました。楽しかったですね」
次なる目標は、2027年に徳島を含む関西地方で開かれる「ワールドマスターズゲームズ2027関西」出場です。
県内でも、ゴルフやボウリングなど5競技・6種目の公式競技が行われるなど、開催に大きく関わっています。
(柔道家・永廣信治さん(74))
「年々歳は行きますので、70歳くらいの人と戦うことになるのですが、自分の体が動く限りはやってみたいなと思っています」
74歳となった今、若いころのように体をぶつけあうハードな稽古はほとんど行いません。
地道なトレーニングで自分自身を鍛えあげ、どこまで世界に通用するのか試してみたいと、永廣さんは話します。
(柔道家・永廣信治さん(74))
「年齢との戦いと思います。柔道はあくまでも精一杯戦うことで、目指すところはやっぱり勝つことなんですね」
「金メダルを目指していきたい」
人生100年時代。
医師として体を動かす大切さを伝え、年齢を重ねて今もなお世界の頂点に向かう永廣さんの挑戦は、まだまだ続きます。
(12/03 18:05 四国放送)
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