■吉野川で「漁業権」取り消しの可能性 どうなるアユ釣り?【徳島】(徳島県)
■どうなる吉野川の釣り
全国でも有数の一級河川、吉野川。
30センチを超える尺鮎が釣れるとあって、全国から釣り人が訪れます。
(釣り人)
「他で釣れないような大きいサイズが本流でドカンと来るんで、アドレナリンがすごいことになります」
しかし、この吉野川で今、アユなどの漁業権が取り消される可能性が出てきています。
一体どんな影響があるのでしょうか。
(小玉アナウンサー)
「きょうは、吉野川で起きている漁業権取り消し問題についてお伝えします」
「まずはこの『漁業権』とは、そもそも何なのか?解説していきます」
■「漁業権」とは
(小玉アナウンサー)
「漁業権とは、『一定の水域において、排他的に特定の漁業を営む権利』をいいます」
「言い換えれば、独占的に漁業ができる権利で、今回、取り消しの可能性にあるのが、吉野川流域におけるアユやアマゴ、ウナギなどの漁業権です」
■漁連に何が?
(小玉アナウンサー)
「もともとこれらの漁業権は、7つの漁業組合が加盟する吉野川漁連が持っていましたが」
(小玉アナウンサー)
「2023年、この7つのうち3つが漁連を脱退しました」
「脱退した3つのうち1つは、のちに解散したため、現在は吉野川漁連と、残る2つの漁協が共有する状態となっています」
■なぜ漁業権の取り消し?
(宮下アナウンサー)
「なぜ今回、漁業権取り消しの可能性が出てきてるのでしょうか」
(小玉アナウンサー)
「はい、漁業権を持っている場合、独占的に漁業を営む権利の一方で、アユなどの稚魚を放流する義務があります」
(小玉アナウンサー)
「しかし、これが履行されなかったため、県は漁業法に基づき、取り消しを視野に手続きを進めているんです」
■漁業権が取り消されると?
(宮下アナウンサー)
「漁業権が取り消されると、どうなるのでしょうか?」
(小玉アナウンサー)
「大きな影響があります」
(小玉アナウンサー)
「漁連などにとっては、稚アユなどを放流する義務がなくなりますが、このことにより、河川の環境が大きく変わってしまう恐れがあります」
「また、これまで独占的な漁業権を持っていた漁連などは、一般の釣り客に遊漁券を販売していたのですが、これが販売できなくなる」
「言い換えれば、誰でも自由に釣りができるようになるわけで、このことも大きな影響を及ぼすと考えられます」
(宮下アナウンサー)
「このことについて、吉野川でアユ釣りを楽しむ釣り人はどう考えているのでしょうか? 生の声を聞いてきました」
■釣り人からは意外な声…
全国でも屈指のアユ釣りの名所、吉野川。
先日も三好市の人気スポットには、県内外から多くの釣り客が訪れていました。
(釣り人)
「これ釣ったやつ、でかいだろ。なかなかこんなん見れん」
漁業権が取り消された場合、遊漁券を購入する必要がなくなることについて、釣り客たちはどう考えているのでしょうか。
(釣り人・滋賀県から)
「僕の近くの川が始めたころは漁協があって、釣り人も結構多かったが」
「漁協がなくなった瞬間、人が減るし、何でもやりたい放題になってしまうので」
「もう引っかけやるし、網やるし、やりたい放題で友釣りがやりにくくなってしまって、それでその川に行かなくなりました」
(釣り人・京都から)
「漁協があるがゆえに、駐車場の整備や入川道の草刈りしていただいたり」
「とにかく、なくなると表向きは無料になっていいなと思うかもしれませんが」
「かっこいいこと言いますけど、僕はないと、ダメだと思う」
(釣り人)
「お金払ってでも釣り場をきれいに管理してくれて、出来たら放流もいっぱいしてくれる方がいい」
(宮下アナウンサー)
「意外にも漁業権が維持されて、遊漁券はあった方がいいという意見がほとんどでしたね」
(小玉アナウンサー)
「はい、遊漁券がなくなることで管理されなくなり、釣り場が荒れるのではないかという懸念を口にする人もいました」
「一方で県によりますと、仮に漁業権が取り消されても、県の規則により網を使うなど一部の漁法の禁止や、禁漁期間などの制限は残るということです」
「県内水面漁場管理委員会は10月22日、放流できなかった理由などを漁連やなどから聞く『聴聞会』を開くということです」
「ここまで吉野川の漁業権取り消し問題についてお伝えしました」
(10/17 18:45 四国放送)
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