■熱中症対策「義務化」 県内企業の取り組みは?【徳島】(徳島県)
暑さは今や災害、ここからは2025年6月から義務付けられた、企業の熱中症対策についてお伝えします。
まずはこちらをご覧ください。
■「職場での熱中症」10年前の6倍
これは、県内の過去10年間、職場で熱中症となり治療を受けた人数の推移です。
2015年は16人でしたが、その後、経済活動が停滞したコロナ禍を除き、ほぼ右肩上がりに増加し、2024年は10年前の約6倍、95人にまで増えました。
こうみると、近年かなり増えています。
これは、徳島に限ったことではありません。
こうした状況は、全国的にも同じです。
これを受け厚生労働省では2025年6月、労働安全衛生規則を改正、企業に職場での熱中症対策を義務付けました。
県内企業の取り組み状況はどうなのか?
最も熱中症の発生が多い、建設業の現場を取材しました。
こちらは佐那河内村にある、工事現場です。
取材したのは7月上旬、トンネルをつくる工事とその周辺の道路整備が行われていました。
この日気温は、午後3時ごろで 32℃です。
(作業員)
「尋常ではない暑さですね、熱中症だけには気をつけて」
(記者)
「これまでに仕事中で熱中症になったことはありますか?」
(作業員)
「昔一回そういう症状はありました、仕事している間はね、どうしてもね」
工事を請け負う姫野組は、これまで1日に3回の休憩を確保するほか、工事現場のすぐ近くに休憩所を設置。
スポットクーラーや扇風機を設置して、体をすぐに冷やせるようにするなど、現場での対策を重ねてきました。
そして6月から企業の熱中症対策が義務化になる中、2025年の夏から新たな取り組みも…。
(姫野組一ノ瀬トンネル工事・楠本登 所長)
「屋外で作業する人に、腕に着ける時計タイプの心拍の異常値を察知して」
「事務所で管理しているモニターに映す」
遠隔でも体調の変化が分かる、スマートウォッチを試験的に導入しました。
このスマートウオッチから、作業員全員の「心拍数」と現場の「気温」や「湿度」から計算される「暑さ指数」が測定され、これをもとに「安全」から「要緊急対応」など体調を5段階で把握できます
また、作業を続けるのが危険な場合には、作業員にはアラームで、管理者にはメールで知らされる仕組みとなっています。
また、工事現場にカメラを設置して事務所のモニターからも、作業員の様子を分かるようにしています。
(作業員)
「所長さんでも、モニター見てちょっとおかしいんじゃないかとしたら」
「すっと来てくれますから、それだけ心配してくれてるということで安心じゃないですか」
(姫野組一ノ瀬トンネル工事・楠本登 所長)
「離れていると、そこまで行くのに時間差が発生します」
「見た目のどういう風になっているのかなっていうのは、すぐ察知はできます」
「注意喚起の所でいかに熱中症にならないようにするか、今回は試験的にやっていきたい」
大人数の把握は難しいですし、人の体調は見た目で分からないこともありますから、実際こういうデータで判断できるといいですね。
■企業に義務付けられた対策
改めて今回、企業に義務付けられた対策はこちらです。
まずは体制整備。
熱中症の疑いがある人を発見した場合の連絡体制をつくっておくこと、そして手順作成。
熱中症の症状悪化を防ぐために作業環境を改善すること、最後に関係者への周知、これらの整備状況をメールや掲示板で朝礼などで周知することが事業者に義務付けられました。
■対策を怠れば「罰則」もあり
対策を怠った場合は、6カ月以下の拘禁刑また50万円以下の罰金の罰則が科されることもあります。
今回は、企業の職場での対策をご紹介しましたが、家庭でも同様です。
屋内ではエアコンを利用し、日中の外出を控えこまめな水分補給や休憩を取ることなどを心がけてください。
企業の熱中症対策についてお伝えしました。
(07/11 18:57 四国放送)
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