■漁でとれた魚を描く 阿南市の漁師・小浜敏也さんの油彩展 【徳島】(徳島県)
定置網漁をしながら魚の絵を描く阿南市の漁師が開いた作品展が、徳島市で始まっています。
絵を描き続けて20年、自然や地元の町への愛が詰まった作品を、佐々木さんが取材しました。
分厚い唇にどっしりとした佇まい、まるで深海のヌシのよう。
触角と脚が黄色と黒のまだら模様、鮮やかなニシキエビ、こちらは2匹のカエルウオ親子でしょうか。
晩御飯のメニューでも相談しているのかな。
今にも動き出しそうな魚たちが並ぶこの作品展は、阿南市の小浜敏也さんが開きました。
会場には、新作を含め油彩画50点が並んでいます。
(漁師で画家・小浜敏也さん)
「テーマは存在」
「椿泊という町に生きる人、とれる魚の存在をテーマに描いてみました」
漁師が本業の小浜さんは、阿南市椿泊町で定置網漁をしています。
海に出て自分でとった魚を持ち帰り、生き生きとした天然の色をキャンバスにうつします。
(漁師で画家・小浜敏也さん)
「魚の触感 手触りを意識して描いたりはしてます」
(記者)
「こちら、大きなオコゼとカニですね」
(漁師で画家・小浜敏也さん)
「ガザミですね」
(記者)
「タイトルが『ここにおるT』と『ここにおるU』とありますが、どういった作品なんでしょうか」
(漁師で画家・小浜敏也さん)
「オコゼとカニを自分に置き換えて、椿泊で一生懸命漁師をするぞ、ここにおるぞって意味合いを込めた」
こちらは、魚の細かな違いが表現された作品。
(記者)
「ヒラメとカレイが2匹並んでいるのが面白くて、印象的だなと思ったんですが?」
(漁師で画家・小浜敏也さん)
「お腹を手前にして、左に口があるのがヒラメ、右に口があるのがカレイということで」
「ヒラメが肉食で、泳いでいる魚を捕獲する魚、カレイは海藻とかプランクトンを主に食べるので、口の形が全然違いますね」
(記者)
「ヒラメは歯がギザギザしていて、ちょっと強そうな印象、カレイはおちょぼ口で可愛いらしいですね」
12月2日は、平日にもかかわらず朝から多くの人が訪れました。
(記者)
「見てどう?」
(来場者)
「圧倒されました。見ていて飽きない感じが好きです」
(来場者)
「魚に対する愛情がすごいなあ、画面いっぱいにバンっと描かれて、でこぼこがあってオコゼの触感まで描けていますよね」
「命を感じますね、魚の命をね」
貝をすりつぶした粉を絵の具に混ぜて、魚のごつごつした様子を表現するのも、小浜さんの絵の特徴です。
(記者)
「こちらは、小浜さんが絵を描き始めた頃の作品、毎日見る漁港の風景や、一緒に働く仲間、先輩たちの姿を描きました」
(漁師で画家・小浜敏也さん)
「定置網を修理している日常の風景です。10月に先輩が亡くなって、68歳の若さだったんですけど」
「追悼の意味を込めて展示しようと思いました」
この作品展は、12月26日まで徳島市のアートギャラリーグレイスで開かれています。
(12/03 18:11 四国放送)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)