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絆と成長の半年間 県警察学校164期生の記録【徳島】(徳島県)



毎年、新人警察官が一人前となるべく、必要な知識と技術を学ぶ県警察学校。

2025年も9月、22人の初任科生が巣立って行きました。

厳しい訓練に耐え、仲間との絆を深めながら警察官として成長していく彼らの半年間に、カメラが密着しました。

■2025年4月 164期生入学式

4月、22人の初任科生たちが、大きな志を胸に県警察学校の門を叩きました。

(飯田夢良 巡査)
「不偏不党かつ公平中正に、警察職務の遂行にあたることを固く誓います」

厳しい訓練が続く毎日を、仲間と励まし支え合いながら乗り越えてきた半年間。

それはまさに、これから続く警察官人生の礎となる、辛くともかけがえのない宝石のような日々でした。

すべては地域の安心・安全を守る一人前の警察官になるために。

初任科生たちの、熱い熱い半年間にカメラが密着しました。

5月。

まだ初々しい彼らの一日は、ハードなトレーニングから始まります。

この日は、記者も初任科生の一日を体験。

あまりの過酷さについていくのが精一杯です。

(記者)
「今日はどれくらい厳しいメニューですか?」

( 天羽翼 巡査)
「今日は中くらいです」

(記者)
「朝からあんなに?」

(天羽翼 巡査)
「朝から意識高くやってます」

(阿部空龍 巡査)
「警察官は犯人を追いかけたり、一日長い勤務を過ごすなかで体力が大切になるので、(体力づくりに)繋がると思う」

しかし、そこはまだ入学して1か月。

教官に怒られることもしばしばです。

■教官から厳しい指導

(萩野雅信 教官)
「教務室入ってきたときの敬礼が全然できてない、きのうも言ったよな?」

(初任科生)
「はい!」

( 萩野雅信 教官)
「教官 敬礼」

警察官にとっての必要な知識を日々勉強。

体を使った訓練だけでなく、こうした座学も大切なカリキュラムです。

■9月 剣山系での縦走訓練

(初任科生)
「いくぞー!おおー!」

そして、半年間のメニューの中で最も過酷だと言われるのが、約4時間の厳しい登山を行う剣山系での縦走訓練です。

( 飯田夢良 巡査)
「着実に警察官に近づいていると感じるので、みんなで登り切って一線に出ていきたい」

目指したのは、西日本第二の高峰、標高1955メートルの剣山と、そのお隣の次郎笈です。

厳しい登山を通じて、忍耐力の向上と仲間との絆強化を目指します。

なぜ山に登るのか。

彼らの答えはきっと、そこに山があるからではなく、そこに仲間がいるから。

結果は見事、参加した全員が完走。

この訓練を乗り越えれば、卒業はもう目の前です。

■残り一週間

(記者)
「(警察学校)残り一週間となったが?」

( 松本喜起 巡査)
「あと一週間、やり残すことなく同期たちと頑張りたいと思う」

(堤彩夏 巡査)
「交番に出る覚悟を決めて、(最後まで)いっぱい勉強したい」

これまで厳しく指導してきた萩野教官も、彼らの成長を認めていました。

(萩野雅信 教官)
「よく頑張ってきたと思います。寂しい気持ちもあるが、現場出て頑張ってもらいたい」

(記者)
「半年間、よく頑張ったか?」

(萩野雅信 教官)
「残り一週間の頑張りで判断したいと思う」

半年間の歳月を経て、彼らの表情にも警察官としての自信と責任感がのぞくようになってきました。

■卒業式前日

卒業をあすに控えたこの日。

彼らが寮の中を案内してくれました。

ここでの生活もこの日が最後、仲間との別れをかみしめながら半年分の荷物をまとめます。

(岡島辰磨 巡査)
「やばいです、思ったより荷物が多かったです」

(記者)
「終わりそう?」

(岡島辰磨 巡査)
「終わらないかもです…」

(宇積空輝 巡査)
「同期と良い関係性になれて、毎日が楽しく生活できました」

(内田隆太郎 巡査)
「寂しく感じている、思い出が減っていくような感じがしている」

(記者)
「今日は寝れそう?」

(内田隆太郎 巡査)
「今日は緊張して寝れない、明日卒業式なので…」

■そして、卒業の日

そして迎えた卒業式。

関係者らが見守る中、164期初任科生の入場です。

仲間と過ごしたこの場所での、22人の最後の晴れ姿です。

笠井孝明学校長から卒業証書を受け取り、それぞれが思い思いの決意を述べます。

(松本喜起 巡査)
「父を超えるような警察官になります」

(福田優那 巡査)
「将来、徳島中央警察署長になります」

(森本駿之介 巡査)
「サイバー犯罪に強い、徳島県警を作ります」

なかにはこんな初任科生も。

(平川奏 巡査)
「萩野教官のような、カッコいい警察官になります」

半年間、厳しく指導した萩野教官の目にも熱いものがこみ上げます。

これまで育ててくれてた保護者にも、感謝の気持ちも伝えました。

(堤彩夏 巡査)
「お父さん、お母さん、お爺ちゃん、お祖母ちゃん、これまで育ててくれてありがとう」
「立派な警察官になるので見ててください」

(天羽翼 巡査)
「ここまで成長するために頑張ったのは自分ですが、その環境や理由を作ってくれたのはお父さんとお母さんだと思う」
「これからも一番の味方でいてください」

(近藤岳渡 巡査の母親)
「県民の皆様に寄り添える、力強くて心強い警察官になってほしいと思う」

(松島菜々子 巡査の母親)
「本当に感動しました、あっという間の六か月間でどうなることかとヒヤヒヤしていたが」
「何とか今日を迎えることができてホッと一安心です」

「女性らしい、思いやりのある警察官になってほしいと思う」

(妹尾幸音 巡査)
「一生懸命頑張ります」

(初任科生・円陣)
「警察官負けんぞー!」

■それぞれの思いを胸に…

これから県内8カ所の警察署へと巣立ってゆく22人。

たった半年間ではあっても、ここでの日々を忘れることはありません。

卒業はゴールではなく、スタートラインです。

壁にぶつかる日もあるでしょう。

けれどそんな時きっと、共に過ごした仲間たちとの絆が彼らの背中をそっと押してくれるはずです。

164期生に、光あれ。

(10/14 18:35 四国放送)

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