■患者にアートの力を 病院で「出張美術館」【徳島】(徳島県)
10月22日、美術館の学芸員が病院に出向いて、オンラインで美術館と繋げる「出張美術館」が開かれました。
若手学芸員が企画したこの取り組みを、私が取材してきました。
(宮下寧々アナウンサー)
「オンラインでつなぐ出張美術館があると聞いて、徳島市民病院に来ました」
出張美術館は、学芸員が美術館の外に出向き、オンライン中継を活用して、館外から美術作品を鑑賞してもらう取り組みです。
(宮下寧々アナウンサー)
「出張美術館を始めたきっかけは?」
(県立近代美術館・浅田真珠学芸員)
「そもそも美術館に来ることが難しいという人って、意外と多くいるんじゃないかということと」
「そういう人にこそ美術やアートの力は必要とされているんじゃないかなってところから」
「アートの魅力を伝えられたらいいなという思いで始めました」
出張美術館を企画した、県立近代美術館の学芸員、浅田真珠さんです。
2025年1月にも同じ徳島市民病院で出張美術館を開き、患者から好評だったため、今回、2回目を開催しました。
(県立近代美術館・浅田真珠学芸員)
「奥にキラキラ光っている、男性の職員なんですけど、こんな感じにすごく大きい」
この日は、10月4日から始まった開館35周年記念展「美術と野獣」の展示をオンライン中継で紹介。
美術館にいる学芸員が作品をアップで映すなどして、臨場感を味わってもらいました。
(県立近代美術館・浅田真珠学芸員)
「ヴラマンクの木のある風景という作品です」
「荒々しい筆遣いと、鮮やかな色で風景を描いていて、本能を表現することにこだわっていた人」
「風景をリアルに描くってことだけじゃなくて、そこに感情とか気持ちとか本能を乗せるっていう」
「写真でできちゃうけど、絵画にしかできないことを探し始めた」
「こういう作風の人たちが、パリで突然現れた」
また、この日は作品を鑑賞して感じたことや、自分の内面を絵で表現するワークショップも行いました。
(患者)
「去年から入退院繰り返してるので、治療がちょっと前に進まないというので、落ち込むこともあるんですけど、ヒマワリを描いて、お日様の方を向いてっていうので、してみました」
(患者)
「絵とかお話をもらいまして、すごく楽しくなりまして、身体も調子悪かったんですけど、元気も出てきて、すごくありがたく思ってます」
(県立近代美術館・浅田真珠学芸員)
「みなさん最初は緊張されてたと思うんですけど、質問も段々してくれて、私の方が感服しました」
県立近代美術館は今後も、出張美術館などの取り組みを続けていくということです。
(10/24 18:19 四国放送)
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