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オブスタクルスポーツへの情熱 世界選手権に徳島から2人出場【徳島】(徳島県)



2028年のロサンゼルスオリンピックに採用され、注目を集めているニュースポーツが、障害物レースの「オブスタクルスポーツ」です。

9月に開かれる世界選手権へ、徳島から日本代表として出場する2人の男性を紹介します。

競技の魅力、そして2人の競技への情熱に迫りました。

スピード・スタミナ・テクニック。

さまざまな障害物を、鍛え上げた己の肉体で乗り越えゴールを目指す。

これがロス五輪に採用された新競技、オブスタクルスポーツです。

■世界大会に県内から2人出場

9月に開かれる世界選手権へ、日本代表として出場する2人。

吉野川市の工藤剛也さんと、徳島市の白川知明さん。

県内からは初めての出場です。

(シニアクラス日本代表・工藤剛也さん)
「子どもの頃に、時間忘れてアスレチックで遊んでいた感覚に戻るような気持ちになる」

(マスターズクラス日本代表・白川知明さん)
「まさか、日本代表として選んでもらえるとは思ってなかった」
「楽しくてやっていたことが、選手権につながってシンプルにうれしい」

■吉野川市に日本初の公認コース

2人が競技を始めたきっかけは、この吉野川コース。

2024年4月にオブスタクルスポーツの日本初公認コースとして、吉野川市鴨島町に完成しました。

コースの全長は100mで、うんていや平均台、高さ4mの反り立つ壁など、12の障害物が用意されています。

2人はここで開かれた2024年10月の日本選手権と、4月の公認レースのタイムで上位3位に入り見事、日本代表入りを果たしました。

本職は介護福祉士、工藤剛也さん37歳。

20歳から39歳までのシニアクラスに出場します。

人呼んで「ペンギンの工藤」。

高さ50センチのネットクロールを、ペンギンが氷の上を滑るようにクリアすることから、この異名がつきました。

学生時代にしていた、野球仕込みのヘッドスライディングがコツだそうです。

■自宅に「ペンギンハウス」?

(シニアクラス日本代表・工藤剛也さん)
「かなり自分にハマっていたので、このオブスタクルスポーツがうまくなりたいというより、楽しんでいた」

好きが高じて、世界選手権へ向けた対策を練るため自宅にコースを作りました。

仲間内からは「ペンギンハウス」と呼ばれているそうです。

(シニアクラス日本代表・工藤剛也さん)
「作ってやってみて、それで良い感覚がつかめているので作って良かった」

「百識の白川」こと白川知明さん。

パーソナルトレーナーを生業にしながら、コースの運営にも携わっています。

誰よりも障害物や人体のメカニズムに詳しいことが強みです。

■「41歳でも楽しめる」

(マスターズクラス日本代表・白川知明さん)
「41歳だが、ある程度年齢がいっていても楽しめるし、100mなら全力が出し切れる」
「どうやって速くすれば攻略できるか考えながら、仲間と一緒にやっていくのがすごく魅力なポイント」

■新しい競技 手探りの研究

良いタイムを出すため、障害物を早くクリアしようとすると、落下のリスクが高まるのがこの競技の難しさ。

(シニアクラス日本代表・工藤剛也さん)
「あかんミスった」
「急ぎすぎた」

(マスターズクラス日本代表・白川知明さん)
「でも攻めた走り」
「だいぶ攻めた走り」
「安定とって2,3でいったらいけたけど、それだと練習の意味がない攻めは大事」
「もう1回いきます」

よりはやくなるため、互いにアドバイスを送り合います。

新しい競技、手探りでの研究です。

■地域に若者を

このコースを作った建設会社の会長も、これはうれしい反応です。

(コースを作った 松島組・松島清照 会長)
「個人競技にもかかわらず、来た人が協力して楽しそうにここでグループができて、見ていて楽しい空間ができた」
「この地域にできるだけ、若者、活力あるものができたら」

■やればやるだけ成長

そして、この競技の醍醐味が自己ベストの更新。

白川さんのこれまでのベストタイムは38秒75です。

(マスターズクラス日本代表・白川知明さん)
「やればやるだけ自分がどんどんはやくなるのが実感できる。最初時間がかかっていたところが、ある時ふとできるようになる」
「自分の中で成長したとなる、そういうところが楽しい」

「32秒台」
「だったらベストですね」
「ここの歴代トップ10に入ってるかも」
「公式大会じゃない、今度大会で叩き出します」

オブスタクルスポーツの世界選手権は、9月11日からスウェーデンで開かれます。

■世界選手権で狙うのは…

(シニアクラス日本代表・工藤剛也さん)
「まさかこんな楽しいスポーツが、地元にできてくれると思ってなかったので感謝している」
「予選通過し、上の順位狙えるようがんばります」

(マスターズクラス日本代表・白川知明さん)
「マスターズクラスの中では若いので、優勝掴んでやろうと密かに思っています」

徳島にコースが誕生して1年、新たな広がりを見せるオブスタクルスポーツ。

競技も選手ものびしろしかありません。

10月に吉野川コースで開催される「第2回日本選手権」は、日本初のワールドシリーズの公式大会に認定されています。

世界から競技者たちが集う場へ、さらに盛り上がりが期待されます。

(07/16 18:31 四国放送)

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