■相次ぐ住宅火災 出火原因を検証【徳島】(徳島県)
本格的な寒さとともに、電気ストーブなど暖房器具を使用する機会が増えているのではないでしょうか?
そうした中、県内でも火災の発生が続いています。
この時期に起こりやすい火災と、その原因を取材しました。
「火の粉もかなり舞っている。北風が強いのでだいぶ前から消火活動が続いてますが、消える様子はないです」
11月18日、大分市佐賀関で起きた大規模火災。
住宅など180棟以上が焼け、1人が亡くなりました。
発生当時、強い風が吹いていて、あおられた火が燃え広がったと見られています。
県内でも11月に入ってから住宅火災が相次ぎました。
火災による犠牲者も出ています。
消防庁によりますと、住宅火災で亡くなった人のうち、7割以上が65歳以上の高齢者だということです。
秋から冬にかけての時期、なぜ火災は増えるのでしょうか?
これは2024年、徳島市で発生した火災の出火原因です。
たばこの不始末や、野焼きが上位に上がっています。
ところが、電気配線など細かく分類されている電気関連を合わせると、たばこの不始末と並んで1位になります。
全国的にも火災の発生が相次ぐ中、街の人は?
( 街の人は)
「朝は使ってますね」
(記者)
「どんなの使ってますか?」
( 街の人は)
「足元のストーブとか」
(街の人は)
「最近、徳島だけではなく大分とかでも火災があったり、火災が多いなと感じている」
「乾燥しているから、焚火とかで(火災)が起こりやすいから」
「アイロンとか付けっぱなしのときがあるから、気を付けなきゃねと言いながら過ごしている」
寒さが増すと、これから一段と使用機会が増えるのが「暖房器具」です。
しかし、一歩間違えると火災につながることも。
( 徳島市消防局予防課・松本理史 担当課長補佐)
「全国的にみなさん、ストーブ火災というと、石油ストーブを連想しがちだが、実際は半分近くが電気ストーブによる出火となっている」
電気ストーブの火災は、落下した洗濯物から出火することが多いということで、実験を行いました。
( 徳島市消防局予防課・松本理史 担当課長補佐)
「実験を開始して1分が経過しました。目に見えて白煙の量が増加をしている状況になっている」
「サーモグラフィーでも、明らかに色の変化が出てきている状態」
実験開始から2分。
衣服が変色し、煙があがってきました。
( 徳島市消防局予防課・松本理史 担当課長補佐)
「あ、まさに今、2分25秒のところで炎が立ち上がりました」
開始から2分25秒、サーモグラフィが真っ赤に染まり、炎があっという間に上がりました。
( 徳島市消防局予防課・松本理史 担当課長補佐)
「ここにきて炎の勢いが増してきましたね、隣にあるごみ箱内部の紙製品ゴミくずですね」
「紙屑にも着火して、大きな炎が上がっている状況になります」
開始から3分も経たないうちに、電気ストーブは黒焦げになりました。
県内でも2024年、似た火災事案が発生しています。
( 徳島市消防局予防課・松本理史 担当課長補佐)
「冬で考えると、印象に残っているのは電気ストーブが原因ではなかろうかと、現在も調査を進めているところですが、推定される火災があった」
「寝具が重なって出火したりすると、就寝中に出火ということになるので、ときには命を落とすケースが多い」
「ストーブの取扱については、十分に気を付けてほしいと思う」
火災件数は、ここ数年減少傾向にありましたが前年、上昇傾向に転じました。
その要因は?
( 徳島市消防局予防課・松本理史 担当課長補佐)
「その一つの要因としては今、話題となっているリチウムイオン電池、このバッテリー等による出火による件数が増えているというところも影響しているかと思う」
リチウムイオン電池は水や衝撃に弱い特徴を持っており、その特性を理解して使用することが大切だと言います。
もし発火してしまうと…。
( 徳島市消防局予防課・松本理史 担当課長補佐)
「激しく炎が吹きだしているときは、離れて安全なところから状況を見守ってもらいたい」
「炎が噴出する状況が収まったら大量の水、もしくは消火器等で消火をする」
「可能であったら、バケツなどで水没させるとより安全と言われている」
また、電気コード類が原因となる火災も増加しています。
コンセントに差したプラグにほこりが溜まり発火する「トラッキング」や、電気製品の合計消費電力が電源タップの容量を超えると発火して火災の原因となります。
( 徳島市消防局予防課・松本理史 担当課長補佐)
「われわれ消防士は、火災のプロとして、なぜ火災が起きるかということを把握している」
「しかし、市民のみなさんには、そのような情報が正しく伝えられていないと思う」
「火災の怖さ、危険性というのを、今回の実験を通じてタイムリーに、正しくみなさんに伝えたいと思う」
家を失い、家財を失い、最悪の場合は命も失う火災。
この時期火の取り扱いには、あらためて慎重にならなければなりません。
(12/09 18:45 四国放送)
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