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「高校野球に新しい波」 地元の名将が「改革」に取り組む海部高校【徳島】(徳島県)



シリーズでお伝えしている高校野球の注目校紹介、3回目は海部高校です。

地元出身の名将が取り組んでいる、高校野球改革に迫りました。

音楽をかけバッティング練習、まるでプロ野球のキャンプみたい。

「あと2周」

円に沿って走る選手。

これは何の練習だ?。

毎日使っている立派な野球場。

これが、海部高校野球部の今。

海部に、新しい高校野球の波が押し寄せています。


「勝負の神様は細部に宿る、細かいところをしっかりプレーできたら絶対勝ちは近づいてくる」

部員は47人。

少子化が進む中、海部高校ではスポーツなどで、県外生の受け入れを広げています。

今回の大会メンバーも、7割が県外の出身者。

彼らがここを選んだ理由は。

(海部高校野球部・蓮池栄心 主将)
「(みんな)中学校の時にあまり試合に出れなかった選手が、杉本監督に教わりたいと思い、ここに来ている」

就任3年目、牟岐町出身の杉本泰彦監督です。

監督として、大学トップレベルの東洋大学でリーグ優勝のほか、社会人チームでは日本一も経験した名将です。

(海部高校野球部・杉本泰彦 監督)
「彼らの将来、自分がなりたい姿があると思う『僕はプロに行きたいです』決して笑わない」
「甲子園を目指しつつも、その先、自分が大好きな野球を続けていける」
「そういった教育・指導をしていきたい」

指導方針は「個人のポテンシャルをいかに高められるか」その目標に向かい、ひとりひとりの課題に監督と選手とが共に考えクリアしていきます。

(海部高校野球部・杉本泰彦 監督)
「もっと腰を落として、そうそうその高さ」
「おかしい?感じはどう?」

(選手)
「いい感じに振れています」

(海部高校野球部・杉本泰彦 監督)
「だったら、それで行ったら」
「結果はええから、そんなん関係ないから、自分がちゃんと(振れる)それだけ考えたら良い」

先ほどの練習は、アキレス腱がかたい選手に対し、柔軟性を高めるためのものです。

バッティングでは、修正点を見つけるため、全員の打席を撮影するなど、個人の課題をクリアするための練習が組まれています。

そして、極めつけは…。

(海部高校野球部・杉本泰彦 監督)
「部活アプリ」
「(選手)個人と全員つながっていて、その日の練習や試合」
「自分の悩みをアプリに入れてもらい(答えている)」

(海部高校野球部・黒川斗季 投手)
「自分に合った指導をしてくれて、本当にこの高校来て良かったと思う」

こう話すのは阿南市出身、2年生エースの黒川斗季投手。

キレの良い130キロ後半の直球と変化球で、打者を翻弄する左腕です。

個人指導のおかげで、コントロールが向上しました。

(海部高校野球部・黒川斗季 投手)
「ピッチングでは、全試合完投する気持ちでいきたい」

そして、チーム最大のこだわりは「とにかく打つ」こと。

積極的に振ることを心掛け、春の大会以降の試合ではチーム打率が2割9分5厘と、切れ目のない打線を作り上げました。

(海部高校野球部・蓮池栄心 主将)
「冬に目標にしていた140キロ、150キロの速球を打ち返す目標で、ストレートには強い打線になった」
「僕たちが一から作ってきたチームなので、その集大成を発揮できたら」
「今の3年生は推薦もなく強い想いで海部に来て、それを杉本監督が拾ってくれたので」
「その分、絶対に勝って恩返しという思いが強い」

春の大会はベスト8。

さらに高みをめざすべく、名将とともに力をつけてきた海部高校野球部。

この夏の県大会で、新しい波を起こします。

「ありがとうございました」

海部高校は7月19日、徳島北高校との1回戦に臨みます。

(07/09 18:18 四国放送)

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