■「知事賞とるまであの世に行けん」 コンクール迫り「スイカ熱」最高潮!【徳島】(徳島県)
毎年夏につるぎ町で開かれる「西瓜コンクール」。
家庭菜園などで育てた、スイカの出来栄えを競うというものです。
本番まであと10日ほど、参加者の熱気を取材しました。
■迫る「西瓜コンクール」
つるぎ町で毎年夏に開かれる「西瓜コンクール」。
その歴史はなんと、50年近くになります。
コンクールは、「西瓜教室」に通う生徒が、育てたスイカの出来栄えを色や形、糖度や食感などの総合得点で競うというもの。
■目指す頂点「知事賞」
参加者がこぞって目指すのは。
(参加者)
「知事賞やわね」
(参加者)
「そりゃもう、出す以上は知事賞ですよね」
(参加者)
「知事賞以外は、必要ないって感じでやってますんで」
「徳島県知事賞」とは最優秀にあたる賞で、その年のスイカづくりのチャンピオンに与えられる称号。
毎年、自慢のスイカを持ち込んだ参加者による熱い戦いが繰り広げらています。
■大ベテランも「今年こそ」
(佐藤茂夫さん)
「今年こそ知事賞とるぞ」
気合い十分のこちらの方は、佐藤茂夫さん76歳、スイカを作って32年です。
これまで知事賞をとったことがなく、2025年こそはと意気込みます。
■「知事賞とるまではあの世に…」
(佐々木気象予報士)
「どうしても、知事賞がとりたい?」
(佐藤茂夫さん)
「そうですね、そらとらな、あの世にはいけませんわ」
■秘策は失敗するも…
審査においてスイカの見た目は重要項目。
佐藤さん考案の「緑のゴーヤーカーテン作戦」。
スイカを日照りから守るために編み出した作戦でしたが、これは失敗に終わりました。
しかし、スイカの生育は順調。
(ライバル)
「立派によくできてるなあ」
ライバルたちも驚くほどに大きく育ったスイカで、コンクールの1等賞を目指します。
■「来年はないかも…」
しかし、そんな佐藤さん、ここ数年ある心配が胸をよぎるそうで…。
(佐藤茂夫さん)
「だんだん時間が無くなってきているのが自分で分かるから」
「特に力入れて『もう来年はないかもわからん』というのを、思いながらやってます」
最近は畑仕事による筋肉痛の治りが遅いなど、体の衰えを感じることもありますが、体力が続く限りはスイカづくりをやめたくありません。
(佐藤茂夫さん)
「とろうと思っとるけんね、一度はとりたい」
■「知事賞」経験ある名人も!
スイカづくりに熱心に励んでいるのは、佐藤さんだけではありません。
梅雨明けした県内には夏の空気が漂い、挑戦者たちの「スイカ熱」も高まってきています。
(佐々木気象予報士)
「7月に入ってコンクールまであと2週間、なにやらスイカづくりの名人がいると聞いて駆けつけたんですが」
「つるぎ町半田地区、一体どんな方なんでしょうか」
「おはようございます」
浅川虎夫さん81歳、知事賞をとったこともある大ベテランです。
さっそく、畑に案内してもらいました。
■名人のこだわりとは?
(佐々木気象予報士)
「え!これものすごく大きいですね、しかも見たも綺麗」
(浅川虎夫さん)
「綺麗よな」
浅川さんの8アールの畑には、90株のスイカが植えられています。
2025年は、一つ一つが大きくて出来が良いそう。
名人のこだわりは、土の乾燥防ぐために敷き詰めた藁と落ち葉。
これがポイントだそうです。
(浅川虎夫さん)
「今年は最高にいいと思う、玉が大きいだろう」
「こんなに、平均的に大きいのは、作り始めて初めて」
「毎日来てスイカとにらめっこしてしてます」
さすが名人、あとは本番を待つだけのようです。
■妹も「知事賞」経験者
そんな浅川さんには、近所に住む妹がいます。
その妹もスイカを作って、西瓜コンクールにも出品するんだとか。
(佐々木気象予報士)
「こんにちは」中西かよ子さん73歳です。
過去には知事賞をとったこともある、スイカ作りの実力者の一人です。
■スイカのパートナーと賑やかに
(中西かよ子さん)
「私がスイカしだしてね、ずっと一緒に総ちゃんとね」
(佐々木気象予報士)
「総ちゃん?」
(中西かよ子さん)
「井筒総一郎さん」
(佐々木気象予報士)
「総一郎さんは旦那さんではない?」
(中西かよ子さん)
「主人はあそこにおります。スイカのパートナー」
(佐々木気象予報士)
「旦那さん、めっちゃ見てますけど」
(中西かよ子さん)
「お父さんもきますか?」
(佐々木気象予報士)
「旦那さんも、待ってあげてください」
(中西かよ子さん)
「お父さんは、最終段階の手伝いをする」
■立派なスイカがゴロゴロ
賑やかにスイカづくりを楽しんでいる様子の中西さん、肝心のスイカの様子は。
(佐々木気象予報士)
「めっちゃデカいスイカあるんですけど」
(中西かよ子さん)
「ははは」
さすが名人の妹だけあって、こちらも立派なスイカがごろごろ育っていました。
■スイカづくりで広がる「人間関係」
中西さんがスイカを作り始めたきっかけは、スイカが大好きな孫たちに食べさせたいという思いでした。
それが今では、自分の日々の楽しみへと変わったそうです。
(中西かよ子さん)
「スイカによって、人間関係が広くなったっていうかな」
「どっかで会ったら『今スイカどんなん』とかっていう話題がね」
■「兄ちゃんに負けんように」
そんな妹のライバルはズバリ…。
(中西かよ子さん)
「兄ちゃんに負けんように、頑張って知事賞狙います」
兄妹のスイカバトル、勝のはどちらかこちらも目が離せません!。
■出品予定者の畑を視察
7月8日は、朝からコンクールに出品予定の会員の畑を、みんなで見てまわりました。
(佐藤茂夫さん)
「これか、隠しとる」
「18キロぐらいあるかも分からんこれは、ジャンボ、ジャンボです、尾崎の上ですわ」
スイカを育てるだけではなく、会員たちのスイカの生育具合を確認するのも、ベテラン勢の役割の一つです
■気になる出来栄え
(畑の持ち主)
「みんなが『ええ、ええ』って言うてくれて嬉しい」
「知事賞よ、知事賞しか狙っとらん」
一方、初の知事賞を狙う佐藤茂夫さんはこの日、渾身のスイカをみんなに試食してもらいました。
(佐藤さんの弟子・小栗利文さん)
「今年は、知事賞がとれそうですね」
■ライバルが火花
(佐藤茂夫さん)
「この中には、これだったらうちのが美味いなって思っとる人もおるかも分からん」
(ライバル)
「みなんがそう思っとるんちゃん、ははは」
この日は、約3時間かけてそれぞれの畑をまわり、視察は昼過ぎに終了しました。
■「泣いても笑っても あと9日」
泣いても笑っても本番まであと9日、つるぎ町の夏の王者は一体誰に?
西瓜コンクールは7月17日です。
(07/09 18:19 四国放送)
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