■「再生二期作」収穫はじまる 一期目と比べ出来栄えは?【徳島】(徳島県)
(森本アナウンサー)
「今、全国でも注目集めているコメの「再生二期作」
「以前、番組で取材をした農家で二期目の収穫が始まりました」
(豊成アナウンサー)
「まず前回、取材して分かった、再生二期作の注目点をおさらいします」
■2回植えずに、2回収穫ができる
■温度の積算量と夏以降の水が必要
■高い位置で刈り取るための、汎用コンバインが必要
「以上が注目点です」
(森本アナウンサー)
「その点を踏まえて、今回の二期作目は、こちらに注目してご覧ください」
■一期目の刈り取り位置
■新たに実った二期目の稲穂、茶色が一期目、緑が二期目
■気になる味は
「果たしてうまく育ったのか? 一期目と比べた出来栄えを取材しました」
(森本アナウンサー)
「おはようございます」
■2025年5月
2025年5月、再生二期作について取材した、小松島市坂野町で農家を営む樫山農園の堀江佑輔さんです。
今回、二期目の収穫が始まったと知らせてくれました。
■二期作目
(森本アナウンサー)
「こちらで見せていただく、今は二期作目ができてる?」
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「二期作目ができてる。今から刈り取りです」
再生二期作とは、1回の田植えで2回収穫する栽培技術です。
通常の二期作のように、田植えや育苗を1年に2回するのではなく、1回目の収穫時に株を長く残しその後、新たに育った穂を収穫します。
そのため、二期目は一期目よりも短期間で収穫することができます。
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「一期作目は、根っことかも全然まだ土となじんでもないですし、根っこも凄く短いんですけど」
「成熟した状態で二期作目をスタートできますし、刈った後の一期作目の力を持つことによって、二期作目のスタートダッシュがはやい」
二期目は一期目よりも成長が早いですが、その分できる籾の数が6割から7割ほどと少なくなります。
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「これは、にじのきらめきという品種なんですけど、平均的に120粒ついていると言われるんですけど、(二期作目の)今回は70〜60粒くらい」
「この中で幼穂形成期という時期があってこれ(粒)をつくる期間があるんですよ」
「本来であれば、大体30日くらいはかかって作るようなものが、10日くらいで作ってしまうんです、出たときには少なくなってしまう」
「二期作の弱点でもあるが仕方がないところで、120粒?0.6か0.7した粒数しかついていないので、収量が落ちる」
収穫量は落ちますが、生産にかかるコストが一期目の3分の1ほどに抑えられるため、十分な収益も見込めます。
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「コストがすごくかからないお米ですこれは。田植えも必要ありませんし、苗も作らなくていいですし」
「刈り取ってから、水をバシャバシャ毎日のように入れなくていいですから、ここにかかる人のコストであったりとか資材のコストっていうのは、一期作目と比べるとかなり低いので」
「そういった意味では今出ているお米よりも、かなりリーズナブルな価格帯で出荷できる」
米の味や見た目はどうなのか、実際に炊いてもらいました。
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「まずはこちらの方からオープン」
(森本アナウンサー)
「キレイ、新米の香りですね。しっかり粒も立ってますね」
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「今年は特に米の出来もよかったと思います」
(森本アナウンサー)
「つやつやしてる」
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「続いてこちら」
(森本アナウンサー)
「一緒じゃないですか」
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「どちらかは2回目に取ったお米です」
(森本アナウンサー)
「香りは同じ、見た目も同じ」
どっちが、一期目か二期目か分からない状態で食べ比べてみます。
(森本アナウンサー)
「いただきます。甘みがありますし弾力もバッチリ」
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「当ててみてください」
続いて、もう一方のお米もいただきます。
(森本アナウンサー)
「分からん、一緒」
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「僕も分からなかったんですよね、食べても。お米だけ食べても分からなかったので何か乗ると」
(森本アナウンサー)
「見た目はもちろん同じですし、味も、食感も、鼻に抜ける香りも全部同じですね」
堀江さんによりますと、美味しさの数値を表すタンパク質とアミロースの含有量はどちらもほぼ同じ数値だったということで、一期目と二期目で味の違いはほぼないということになります。
(森本アナウンサー)
「ちなみに正解は」
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「先に食べた方がが一期作目です」
(森本アナウンサー)
「想像以上に分からなかった」
令和の米騒動と言われた、米の価格高騰。
備蓄米の放出や、今後の政府の対応について現場の声は。
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「元々は生産量が足りてないってところが根本なんですね」
「そこに対してのコミットメントするようなものが、僕は何一つ感じられていないというところが、お米の高騰を生み出した本来の原因ですから」
「当然値段はまた上がるものと思いますし、この値段が上がるところを海外のお米のシェアで入れるというのに、懸念をしています」
(森本アナウンサー)
「再生二期作は救世主になるという自信は」
(樫山農園・堀江佑輔さん)
「あります。外国産米に切り替わるところに入っていければ、国産米のシェアも維持できるのかなというような技術と思っています」
(豊成アナウンサー)
「実際に食べてみて、味の違いはほぼなかった?」
(森本アナウンサー)
「正直、わかりませんでした」
「香りも、サイズも、食感も同じだと感じました」
(豊成アナウンサー)
「1回の田植えで2回の収穫ができる」
(森本アナウンサー)
「一期目のおよそ6割〜7割くらいのコメを、新たに収穫できた」
(豊成アナウンサー)
「きちんと育ったと言うことは、温度と水は十分足りたということ?」
(森本アナウンサー)
「堀江さんによると、四国は積算の温度は理想的な地域の1つだそうです」
「水は、二期目は成熟した状態でスタートしているため一期目ほど必要なく、例年並みの雨量があれば育つ」
(豊成アナウンサー)
「田植えも必要なく苗も作らない、確かにコストかかりにくいですね」
(森本アナウンサー)
「堀江さんによると、十分収益を生み出せると自信をのぞかせます」
「ただ大きな課題の1つが、やはり高い位置で刈り取る汎用コンバイン」
「各農家で導入する決断が難しい、農地の規模や後継者がいるかなど、それぞれ状況が異なる部分もある」
「そこが難しいと思いました」
「救世主となれるか、今後も注目していきます」
(12/02 18:45 四国放送)
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