ちひろとみすゞTime

ちひろとみすゞの朗読Time

4月27日にご紹介した金子みすゞの詩

『鯨法会』
金子みすゞさんの故郷、長門市仙崎では約450年続く伝統行事があります。それが、鯨法会(鯨回向)という法要です。鯨の命は昔はとても貴重で、「鯨一頭とれれば七浦うるおす」という言葉もあるほどです。そのように大切だった命ですが、仙崎ではその命をいただく有難さを忘れてはいけない、鯨の命をちゃんと供養し、感謝する法要を今も、なお続けています。母鯨のお腹に宿ったまま陸にあがり、この世に生まれることが出来なかった子鯨は、鯨墓に葬られています。みすゞさんが小さい頃からその光景を見つめながら育まれたこと、512編のいのちをみつめる眼差しの背景には、故郷仙崎の優しさ、厳しさ、慈悲深さがあるんですね。大切に刻まれる伝統文化です。