ちひろDEブレイク

みすゞ心のメッセージ

7月21日にお届けした詩は「箱庭」でした

 一人遊びをしている、箱庭を作っている子どもの様子。情景描写のセンスの素晴らしさも感じる詩のひとつです。せっかく作った箱庭を、お母さんに見て欲しいのに、仕事で忙しくて見てもらえないさみしさ。蝉の鳴き声が大きく響く庭にぽつんといる子どもの、その対比が素晴らしいです。夏休み、いろんな子どもたちの思いが、蝉の鳴く声に重なるんでしょうね。(ちひろ)

7月14日にお届けした詩は「 花火 」でした

 空にあがる花火。私たちの世界の空にあがる花火を、みすゞさんは、その空の向こうの国、見えない国の花だと例える。見えない向こうにも果てしない世界を見つめるみすゞさんの心は、宇宙に広がる夢があります。果てしないということは、限りがないということは、私たちにとってどれだけ嬉しいことでしょうか。この夏も各地でたくさんの花火があがる、そこにいろんな想いが広がりますね。(ちひろ)

7月7日にお届けした詩は「 大漁 」でした

 金子みすゞさんの詩512編をみすゞさんの弟から託された、金子みすゞ記念館館長・矢崎節夫さんが最初に出会った詩です。この詩に衝撃を受けここからみすゞファンになる方も多い詩です。人間の世界と海の世界の明と暗。一つの「大漁」という出来事も、立場が変わると全く逆になる。みすゞさんは、私たちが何気なく見つめている世の中の真理に迫り、それを優しく伝えてくれます。一番大切な眼差しを子どもたちもわかるほどに優しく伝えてくれるみすゞさん。日本の宝、世界の宝です。(ちひろ)

6月30日にお届けした詩は「私」でした

 いろんな反射するものに映る自分の姿。でも空には絶対に映っていない。やっぱりこの詩も、空の偉大さ、大自然の偉大さを感じる世界観があります。人間の力の限界、この宇宙の大きさ。私たち人間は謙虚さを忘れてはいけないですね。(ちひろ)

6月23日にお届けした詩は「 爪 」でした

 自分の手の爪を眺めながら、親指の爪、人差し指の爪、5本の指の爪をいろんな人に見立てて、心で遊んでいる小さなみすゞさん、テルちゃんがいます。
 一人時間を持て余していたのでしょうか、お母さんはお仕事で忙しい毎日。テルちゃんの心は、そんな中で心の旅をすることも多かったのかもしれませんね。寂しい時間がまた、心の感性を豊かに伸ばしていることにも繋がることもあります。(ちひろ)

6月16日にお届けした詩は「 世界中の王様 」でした

 みすゞさんが空に思いを馳せている気持ちがとてもよく伝わってくる詩です。どんなに権力を握っている王様よりも、素晴らしいお天気、清々しい大自然の中で生かされている喜びに満ち溢れる心のほうが、幸せなんだと思う気持ちです。これを忘れてはいけませんね。(ちひろ)

6月9日にお届けした詩は「夕立征伐」でした

 子どもが砂で箱庭を作って遊んでいる時に、夕立が降ってしまって、その夕立を征伐しに行くぞという、なんとも可愛らしい詩です。子ども心満載なみすゞさんの詩の数々に、私たちはふと昔懐かしい、忘れかけていた心を、眼差しを思い出します。それが、みすゞさんの詩の魔法です。(ちひろ)

6月2日にお届けした詩は「 帆 」でした

 実は「帆」というタイトルの詩は2編あります。そのうちのひとつ。
 最後に「輝きながら」という言葉が出て来ます。みすゞさんと同じ長門市仙崎出身の作詞家・大津あきらの代表作、徳永英明が歌っている「輝きながら」という歌。みすゞさんが故郷仙崎の海を見つめ思うこと、大津あきらも同じ海を見つめていた。時代は違えど、そこに重なる故郷への想いや人生観、とても共通しているように思えます。素敵な輝きがいつまでも余韻として残る詩です。(ちひろ)

5月26日にお届けした詩は「 ばあやのお話 」でした

 おばあさんが前に話したお話をしてくるので「それはもう聞いたよ」と言ってしまう詩のお話。これは家族の中のあるあるかもしれませんね。何気なく言ってしまった「もう聞いたよ」という言葉が、相手にとってとても寂しいものになる。自分が何気なく言った言葉によって、相手がどう感じるのかを、いつも考える癖がついていたら、もっともっと優しくなれるのかもしれません。(ちひろ)

5月19日にお届けした詩は「薔薇の根」でした

 最初の年に咲いた薔薇の花の感激を、次の年も次の年も求めてしまう私たち。何でも最初の感動というものは特別なものですが、この薔薇の根の詩は、年々咲く花の数が増えるにもかかわらず、「なぜ最初のは咲かぬ」と問いかける。私たち人間が欲深く、変わらないということに飽きてくる人間性に問いかけるものですね。なかなか深い詩のひとつです。(ちひろ)

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