ちひろDEブレイク

みすゞ心のメッセージ

9月15日にお届けした詩は「 お堀のそば 」でした

 喧嘩してしまった相手と翌日偶然会って、こっちはもう喧嘩した気持ちがなくなって、笑顔になったのに、相手は知らん顔。その時の悲しい気持ちの描写が見事な詩です。みすゞさんは、心の描写がとても素晴らしい。この感性を育んだのは、もちろん生まれ持ったものもありますが、そこに仙崎の自然と町の環境、そしてお母さんの教育がありました。詩の行間には、それが見え隠れします。(ちひろ)

9月8日にお届けした詩は「 花びらの海 」でした

 仙崎の海に、いろんな空想をするみすゞさん。日本中に散る花を海に浮かべたら・・・そこは素敵なお花の海。そこに赤い舟でとおい沖までいく光景を想像すると、とっても綺麗な世界ですね。みすゞさんの心は、いつもの何気ない風景にも、自分の大好きなお花の世界を重ねて、幸せな気もちを味わっています。それは現実逃避ではなくて、今この時を幸せに思うひとときなのです。(ちひろ)

9月1日にお届けした詩は「去年のきょう――大震記念日に――」でした

 9月1日は関東大震災の記念日です。昨年はちょうど100年という節目でした。今年は南海トラフ地震への不安も募りますが、被災地とそうでない地では、どうしても「なんで自分が・・・」とか、「ここじゃなくてよかった・・・」とか、それぞれの思いがあるのがあたり前です。でも、そこで大事なのは、被災した場所、人への思いやりと、「いつかは自分がその立場になるかもしれない」という心の在り方です。みすゞさんは被災していないですが、被災地の子どもを心で見つめ、その子どもの心を汲み取っています。災害が起きない間も、いつも思いやりを忘れずに過ごすことがあたり前になっていたら、災害時もきっと混乱せずに助け合うことが出来るでしょう。みすゞさんの心根のように自分の中にある心根が育つ心の土壌をしっかり耕していきたいですね。(ちひろ)

8月25日にお届けした詩は「 藪蚊の唄 」でした

 人間にとって「蚊」はあまり気持ちのいい存在ではありません。でも蚊にしてみたら、また蚊には蚊の毎日があります。この藪蚊の詩を読んでいると、なんとも可愛い蚊の子ども心が描かれていて、あぁ、蚊にも帰るお家があるし、毎日いろんな出会いがあるんだな、と寄り添ってしまいます。でも、きっと、自分の近くに来たら、追い払ったり、パン!と手で打ってしまうんでしょうね・・・童謡の世界は、日頃とは違う心にさせてくれて、その気分転換がとても気持ちがいいものです。(ちひろ)

8月18日にお届けした詩は「 かくれんぼう 」でした

 小さい頃、あまり好きではなかった遊びが「かくれんぼう」でした。あんなに心細い遊びは私には不安しかありませんでした(笑)。みすゞさんが描くかくれんぼう、みんな隠れていながら好きなことしています。鬼もそのうち町に聴こえて来たラッパの音につられて、どっかへ行ってしまった・・・。そうか、こんなに気楽にやっていたら私も楽しかったかも。子どもの心はいろんなことに興味を持つ、それでいいんですね。(ちひろ)

8月11日にお届けした詩は「昼の花火」でした

 夜みんなで楽しみにしている「花火」。それが待てなくて一人で先に線香花火をたいてしまって、後悔している様子が描かれています。やっぱり、ちゃんと我慢をしてこそ、楽しさに満足できるんですね。決められたことをきちんと守ること、その向こうに曇りのない喜びがありますね。(ちひろ)

8月4日にお届けした詩は「 麦藁編む子の唄 」でした

 お手伝いで麦藁帽子を編んでいる女の子。その帽子を都会に住むどんな可愛い女の子が被るんだろうかと、想像している様子が描かれています。最近は、いろんなものが明らかになる時代。でも、この曖昧さ、わからないけれど想像して気持ちが幸せを感じる、その感覚を大切にしていきたいなと思うものです。(ちひろ)

7月28日にお届けした詩は「 雲 」でした

 子どもがいろんな想像の世界で遊んでいる心を描いていますが、遠い遠い空で遊ぶ自分が、飽きたらすぐにお家の池に飛び降りて帰って来られるストーリー。とても都合のいい、可愛いお話ですが、子ども心は本当に自由です。この自由な心の旅、大人はどれだけ自由にさせているでしょうか。大人のものさしで決めつけたりしていないでしょうか。いつでもお家に帰られるという安心感の中で、伸び伸びしてほしいものです。(ちひろ)

7月21日にお届けした詩は「箱庭」でした

 一人遊びをしている、箱庭を作っている子どもの様子。情景描写のセンスの素晴らしさも感じる詩のひとつです。せっかく作った箱庭を、お母さんに見て欲しいのに、仕事で忙しくて見てもらえないさみしさ。蝉の鳴き声が大きく響く庭にぽつんといる子どもの、その対比が素晴らしいです。夏休み、いろんな子どもたちの思いが、蝉の鳴く声に重なるんでしょうね。(ちひろ)

7月14日にお届けした詩は「 花火 」でした

 空にあがる花火。私たちの世界の空にあがる花火を、みすゞさんは、その空の向こうの国、見えない国の花だと例える。見えない向こうにも果てしない世界を見つめるみすゞさんの心は、宇宙に広がる夢があります。果てしないということは、限りがないということは、私たちにとってどれだけ嬉しいことでしょうか。この夏も各地でたくさんの花火があがる、そこにいろんな想いが広がりますね。(ちひろ)

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