Time

ちひろとみすゞの朗読Time

9月27日にご紹介した金子みすゞの詩

『お月さんとねえや』 
満月の日の27日に合わせてご紹介しました。晴れの日は見られるお月さまですが、雲に隠れる日もあります。いつも見られたらいいのにと。そして、忙しそうな‘ねえや’と、そのお月さまを重ねて見つめています。いつも遊んでくれるねえやだったらいいのにと。美しいお月さまとねえやを並べることで、どれだけこのねえやのことを慕っているかが伝わってきます。
『草原の夜』
この詩も月が出てきます。歌っている詩のひとつですが、とても神秘的で、見えない夜の世界の命の営みです。夜のうちに、明日、草を食べる牛や、花を摘む人間を喜ばせようとしている自然界の姿。見えないところで、相手の喜びのための‘はたらき’がある夜の世界。私たちの日々も、そうなのかもしれませんね。見えないところで、誰かの喜びになる生業を積み重ねているのかもしれません。

9月20日にご紹介した金子みすゞの詩

「空の日」(1911年に飛行船が初めて東京上空を飛んだ日)にちなんで、飛行機の詩を2編ご紹介しました
『田舎の町と飛行機』
当時は、飛行機からいろんな情報をお届けするビラが撒かれるのもワクワクした光景だった時代。田舎の町の空に、珍しい飛行機が飛んできて、空からビラが舞う様子を詠っています。町中の人が外に出て、揃って口をあけて見上げている様子が、なんとも長閑な光景です。当時から百数十年で、いろんなことが変化する。みすゞさんの詩から、その時代の流れも味わえる、それも面白さのひとつです。
『虹と飛行機』
飛行機を見に出たと思ったら、空に虹がかかっていた。それも初めての虹。みすゞさんは、その飛行機が、みんなに虹が出ていることをお知らせに来た‘虹のお使い’だと詠みました。なんて素敵なファンタジーにも感じるお話。雨上がりのキラキラとした外の景色に、ひと際光る、虹と飛行機なのでした。

9月13日にご紹介した金子みすゞの詩

今週の2編は、いただいたメッセージに合わせてセレクトしました。メッセージには、色紙にこの詩を絵とともに描かれている素敵な作品が添付されていました。
『栗』
今の時期、緑色の栗の姿が見られますね。詩の主人公は、栗が大好きなものだから、早くもぎたいけど、落ちるまで待たないと栗の親木に怒られるだろうと言っています。そこで、最後の気持ちがかわいいのです。「栗、栗、落ちとくれ。おとなしいよ、待ってるよ。」という言葉。何べん読んでも、この可愛さにはキュンとします。
『帆』
私が歌にしている詩もありますが、金子みすゞさんがキラキラと輝く海の向こうに、夢を描いている気持ちが伺えます。その向こうに舟たちが輝きながら行ってしまう、憧れと夢と希望が眩しく重なる詩です。今の時代よりも、海の向こうは、もっともっとはるか彼方に感じられたことでしょう。

9月6日にご紹介した金子みすゞの詩

『はつ秋』 2編
金子みすゞさんの512編には、いくつか同じタイトルの詩があります。タイトルは同じでも内容や観点が違って、それを味わうのも、とても面白いものです。
ご紹介した『はつ秋』は、田舎の秋と都会の秋。長門市仙崎の秋と、みすゞさんが暮していた当時、西日本最大級の都市のひとつでもあった下関市の秋、だと思われます。
住む環境によって、同じ季節にもこんなに感じ方が違うのか…気が付かないうちに、周りの影響を大きく受けて生きているのだなと感じます。
みすゞさんの詩を、いろんな角度から味わう。
これから深まっていく秋に、実りの多い時間になると思います。

8月30日にご紹介した金子みすゞの詩

『花火』
夏の風物詩といえば、花火。各地の代表的な花火大会が終わると、「あぁ、夏が終わるんだなぁ」と感じている方も多いのではないでしょうか。
8月は「お盆」があって、9月には「お彼岸」がやってきます。私たちは、見えないけれども大切にしている「繋がり」を、こうして偲びます。みすゞさんの詩・『花火』は、空の彼方に繋がっていて、私たちが見ている花火が消えた時、「空のむこうの見えない国の花として咲くんだよ」と、素敵な世界を描いています。
この世で消えた綺麗なものは、見えない国で生まれ変わる…儚さの中に、美しさを見つめているみすゞさんの素敵な詩です。

8月23日にご紹介した金子みすゞの詩

『舟の唄』
金子みすゞさんの故郷、長門市仙崎からは昔、青海島への連絡船が行き来していました。その舟が主人公の詩です。年老いた舟が、自分の昔の勇ましさを懐かしく想う心のうち。みすゞさんは、岸でゆったりゆったり波に浮かんでいるその舟を見て、こんなに素敵な物語を想像する・・・なんて優しい人なんだろうと、この詩をとおしてみすゞさんの心根の温かさが感じられます。
私達のまわりの‘物’たちにも、いろんな想いがあるとしたら・・・大切に使っている物やずっと私たちの日々に寄り添ってくれている物も、みすゞさんの眼差しで見つめてみると、心が豊かに広がるのを覚えます。

8月16日にご紹介した金子みすゞの詩

『お坊さま』
お盆の光景のひとつには、法事で大忙しのお坊さまの姿がありますね。この猛暑の中での大移動は本当に大変な毎日のことと、お坊さまに暑中お見舞い申し上げたい気持ちいっぱいになりますが。この詩は、みすゞさんが小さい頃の思い出なのでしょうか。3歳になる直前に父親を亡くしたみすゞさんの、ちょっと切ない思いが綴られています。
どこかの知らない旅のお坊様は、自分のお父さんじゃなかったのかしら・・・と、そう思いたい気持ちが伝わってきます。遠い昔の思い出が、最後に綴られているたんぽぽ色の、今にも消えそうな昼のお月さまと、一緒に溶けていくような、そんな余韻が残ります。

8月9日にご紹介した金子みすゞの詩

『昼の花火』
子どもの頃、花火で遊ぶのがどんなに楽しみだったか。この詩はその子ども心がとても伝わってくる詩です。あまりに楽しみで、昼間一人でだまって線香花火で遊んでしまった・・・。そのあとのなんとも寂しい思い。
楽しいことは、みんなで一緒に味わうのが一番ですね。ちゃんと待つことの大切さも、いろんな経験、失敗から分かることも沢山です。この夏休みも、いろんなご家族にいろんなドラマがあることでしょう。一つひとつ、大人になっていく子どもたちの経験、体験、優しく見守ってあげたいものです。

8月2日にご紹介した金子みすゞの詩

『波』
夏休みは海水浴を楽しむ中で、海を眺めるひととき、海辺を歩くひとときも楽しいものです。みすゞさんは、波の様子を、あるときは『子ども』、またあるときは『消しゴム』、そして『兵士』とまで表現し、最後には『忘れんぼ』だと表現します。 詩人の目線、眼差しはこんなにも美しく優しく可愛い世界を見つめているのかと、読む側の心が優しくなる、そんな素敵な世界が広がります。暑い夏にこそゆったりと、金子みすゞの詩の世界を味わうのも、とても気持ちがいいものです。

7月5日にご紹介した金子みすゞの詩

『七夕のころ』
もうすぐ七夕。みすゞさんはそのロマンチックな七夕を、人間だけではなく、自然界も、その七夕を味わっている光景を詩にしています。笹薮の笹のささやき、美しい天の川をみつめている海のなげき・・・その描写がまた、美しい七夕を、切ない七夕を彩っています。
『ひろいお空』
町で見上げる空の端は、建物の影に隠れます。町に住む子の思いは、天の川が一目に見える、海の果てまで続く天の川を見てみたい、そんな夢を描いている。私は、コンサートでいろんな県外の町から山口に帰って来たときに見上げる夜空が大好きです。ひろいお空、深い夜。きらきら瞬く星の美しさが、心を癒してくれます。

月間アーカイブ