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もしもに備える防災TIME

2023年09月

“マイ・タイムライン”を作ろう 

2023年9月26日(火)放送分

  • “マイ・タイムライン”を作ろう 
  • “マイ・タイムライン”を作ろう 

災害での「逃げ遅れゼロ」を目指す取り組みとして、国土交通省をはじめ、全国各地の自治体での防災研修、学校での防災教育などで注目が高まっているのが「マイ・タイムライン」です。「マイ・タイムライン」とは、災害発生の危険が迫る時、「いつ」「何をするのか」を整理した個人の避難行動計画表です。
 
例えば、台風が来ると分かった3日前には何をするか?そして、どんな情報が出たら、何をしたらいいか?などを書き出して、整理しておきます。“自分のための逃げ方”を、あらかじめ考えておくことで、いざというときに自分自身が慌てず素早い避難行動へと繋げることができる、というものです。
 
マイ・タイムラインの作り方には、主に3つのステップがあります。
1つめは「知る」…ハザードマップなどを活用し、自分が置かれている環境での災害のリスクを把握して、どんな防災情報を入手すべきなのかを知っておきます。
2つめは「気づく」…災害の危険が迫る時に、必要な避難行動は何か、そして避難行動の妨げになるものがないか、事細かに確認します。自分だけでなく家族も含め、余裕をもって避難するためには、誰が、どのようなタイミングで、どんな避難行動を開始しなければならないか、個々の事情に気付きながら計画を立てることが大切になります。
3つめは「考える」…1つ目で知った自分が暮らす地域の災害リスクと、2つ目で知った個々の事情に基づいて、いつのタイミングで、何から行えばよいのか、時間の流れとともに行っておきたい具体的な行動を時系列の計画表の形に落とし込んで考えていきます。
 
この「知る」「気づく」「考える」ステップでマイ・タイムラインを作るにあたり、おすすめなのが、マイ・タイムラインを作るための資料がセットになった、小中学生向けマイ・タイムライン検討ツール「逃げキッド」です。この逃げキッドは、国土交通省の下館河川事務所のWebサイトからダウンロードできます。(検索サイトで「逃げキッド」で検索!)
また、スマートフォン向けの防災速報アプリで、自分の居住環境や家族構成に応じた防災行動計画を作成し、避難などが必要になったタイミングで通知が届くサービスを提供しているものもあります。
100人いれば、100通りの逃げ方があります。自分のための避難行動計画…マイ・タイムラインを作って、いざというときの防災行動について、頭の中で整理しておきましょう。

普段の生活の中から考える、非常用備蓄品

2023年9月19日(火)放送分

  • 普段の生活の中から考える、非常用備蓄品
  • 普段の生活の中から考える、非常用備蓄品

大きな災害が発生した際、自分の家は無事でも、電気やガス、水道などのライフラインが止まってしまう可能性もあります。
このようなライフラインの復旧や救援物資の到着まで、最低3日間は生活できるだけの備蓄を行っておくことが推奨されています。
 
その備蓄の例としては飲料水や非常食などのほか、ウェットティッシュやトイレットペーパー、カセットコンロやボンベなど。また、家族構成などによっては、紙おむつや常備薬なども必要かもしれません。普段の生活で何を使っているか、思い出しながら準備を進めましょう。
 
また、非常食は「冷蔵庫、冷凍庫の中にあるもの」が立派な備蓄品、という考え方で備えておくといいでしょう。ご飯や食パン、野菜などを冷凍しておけば、自然解凍により食べることも可能です。
 
また、保存が長く利く缶詰やレトルト食品、乾麺なども、普段からストックしておきたいところですが、賞味期限切れにならないよう、定期的に食べては新しいものを補充していく「ローリングストック」という方法を行えば、備蓄に場所を取りすぎることなく、また、定期的に防災について考えるきっかけにもなります。
 
防災のために特別なものを準備するのではなく、できるだけ普段の生活の中で利用するもの、という視点で、常日頃から防災につい考えておくことが大切です。

津波情報を知る  

2023年9月12日(火)放送分

  • 津波情報を知る  
  • 津波情報を知る  

海底を震源とする大きな地震が発生した時は、津波発生の可能性もあります。
気象庁では、あらかじめ膨大な津波予報データベースを作成していて、地震が発生すると、その地震の震源や規模を参照して3分以内には津波警報などの予報を発表できる、世界でも類を見ない津波予報の仕組みがあります。
 
ただ、マグニチュード8を超える巨大な地震となると、正確な地震の規模を即座に把握することが難しく、実際に起きる津波よりも小さめの津波の予報になりやすい、という技術的な問題があります。
そこで、巨大な地震が発生した場合の、直ちに避難を呼びかける津波情報では、第一報は津波の高さの予想を、「巨大」「高い」という簡潔な言葉で表現し、その後、地震のデータ解析が進み、地震の規模が正確に分かった時点で、津波の高さ予想を数値での発表に切り替える、という情報発表の仕組みになっています。
 
津波予報で「巨大」「高い」という言葉が出た時には、東日本大震災クラスの津波が襲ってくる可能性がある、非常事態、と心得て、出来る限り早く、より高い場所を目指して避難することが重要です。
 
津波の予報は、津波の高さが20センチを超えると予測される場合は「津波注意報」、1メートルを超えると予測されると「津波警報」、さらに3メートルを超えると予測されると「大津波警報」が発表されます。数十センチや1メートル程度の高さは、大したことがないように思われることも多いのですが、普段の天気予報の波の高さとは全然違います
 
海岸に打ち寄せる波は、海の上を吹く風によって発生したもので、波の力は海の表面だけのもので、沿岸で砕けやすい特徴があります。一方で津波は、海底の地殻変動で、海の底から表面までの海水が一気に動く現象のため、小さな波でも強力な水の壁のような、破壊的なパワーを持ち、高さ30センチで人は立っていられないレベルで、津波注意報が出たら、海には絶対に近づかない心がけが必要です。津波警報レベルの1メートルの高さを超える津波は、車や木造家屋も流されるおそれがあります。
 
近い将来、起こる可能性があると言われる、南海トラフ巨大地震では、県内は2~3メートルの津波が押し寄せる、と予想されています。
今一度、津波情報の正しい理解を深め、とっさの判断で、どんな行動を取ればいいのか、イメージトレーニングを重ねておきましょう。

地震に備える 

2023年9月5日(火)放送分

  • 地震に備える 
  • 地震に備える 
  • 地震に備える 

今年は、1923年(大正12年)に発生した関東大震災から、100年の節目の年です。その発生日である9月1日が「防災の日」と定められているように、防災において、私たちは、これからも起こり得る大地震に、シッカリ備えていく必要があります。
 
近い将来、ほぼ確実に起こると想定されているのが「南海トラフ」による巨大地震です。
東海地方から四国の南にかけて海底には地殻(プレート)が沈み込む溝があり、ここでは100~150年ごとに大地震が発生しています。この巨大地震では、山口県では最大震度6強の揺れが起き、海溝付近で発生した巨大津波が、90分後には県内に到達することが見込まれています。
そして「活断層」という、過去に地震を起こし、将来も再び地震を起こすかもしれない、地面のズレやひずみが発生している場所が、県内にも多くあります。2016年に活断層により熊本県で震度7を観測する大地震がありましたが、山口県内においても断層付近では震度7クラスの地震が発生する可能性も指摘されています。
地震の人的被害では、家具が倒れて身動きが取れなくなる、落下物に当たってけがをする、最悪の場合は命を落とす、というケースが非常に多く、家の家具をしっかり固定しておくことが、地震の事前の対策として非常に大切です。特に地震は昼夜問わず、突然襲来することがあるため、就寝時に安全を確保するための対策を、しっかり心がけましょう。
 
大きな揺れが来る直前に地震の発生をお知らせする情報に「緊急地震速報」があります。日本全国に置かれた気象庁などの「地震計」が、地震発生初期の比較的弱い揺れを感知し、地震の規模や震源、各地の到達震度などを素早く計算して、強い揺れの到達前にお知らせする情報です。
KRYでは「全国のどこかで最大震度5弱以上と推定される地震が発生し、山口県のどこかで震度4以上の揺れが予想される場合」を基準に、ラジオ、テレビで速報します。
活断層による直下型の地震では緊急地震速報が間に合わない可能性がありますが、南海トラフ巨大地震では、山口県では、大きな揺れの数秒~数十秒前にはお知らせできる、とされています。
 
大きな揺れが来るまでの、ほんのわずかな猶予時間ですが、落下物や倒れてくる家具から身を守るなどの行動を素早く行うことで、大地震での被害の軽減が期待されています。
急なお知らせで慌てないよう、いざというときの行動を日頃からイメージしておきましょう。