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転ばぬ先の知恵

2024年05月 月間アーカイブ
おいしく減塩しよう
2024/05/18放送
出演者
下松市食生活改善推進協議会 副会長 合田弘子さん

◆先週と今週は2回に渡って健康寿命を延ばすために重要な「食事・栄養」について学んでいます。スタジオには下松市食生活改善推進協議会 副会長の合田弘子さんにお越しいただきました。合田副会長、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆先週は「野菜をたくさん食べよう」というテーマで、野菜の重要性を改めて教えていただきました。今日はどのようなお話しをしていただけますか?
 
◇はい。今日は「おいしく減塩しよう」をテーマにお話ししたいと思います。
 
◆よく言われる大切なことですね。詳しく教えてください。
 
◇分かりました。まず「20歳以上の1日の食塩摂取の目標値」ですが、日本人の食事摂取基準[2020年版]によりますと、男性7.5g未満、女性6.5g未満、そして「高血圧患者の1日の食塩摂取の目標値」は6.0g未満とされています。それに対して「山口県民の20歳以上の1日の食塩摂取量」は令和4年県民栄養調査によりますと男性9.5g、女性8.1gとなっており、山口県民の食塩摂取量は、厚生労働省が設定した目標量と比較しても多くなっています。
 
◆山口県民は、目標量より随分多く食塩を摂っているんですね。食塩を摂りすぎるとどうなるんですか?
 
◇はい。食塩は体内の水分量の調節をするなど、体の機能を維持するために大切なものです。食塩をたくさん摂ると血液の浸透圧調整のために血管内の水分量が増えます。血液量が多くなると血管への負担がかかり、高血圧になります。
 
◆食塩を多く摂ると血管内の水分量が増え、血液量が多くなると血管への負担がかかり、高血圧になるんですね。
 
◇そうなんです。その状態が続くと、血管が傷ついたり、弾力性がなくなったり、硬くもろくなり、動脈硬化になります。
 
◆ほっておくと動脈硬化になるんですね。恐ろしいですね。
 
◇また、腎臓は血管がとても細いので、その影響を受け腎機能も低下します。腎臓に石ができる腎尿管結石も食塩が関係しています。
 
◆腎臓機能も低下し、腎尿管結石にもつながるんですか。
 
◇はい。さらに食事から摂る塩分の量が多い国には胃がんが多く、胃がんの原因になるピロリ菌は塩分の多い胃粘膜で感染しやすいといわれています。
 
◆「塩分の摂りすぎは良くない」ことは私もよく分かっていましたが、こんなに影響が大きいとは知りませんでした。
 
◇そうなんです。塩分の摂り過ぎは体に悪影響を及ぼします。また、年齢とともに体も変化します。舌の味蕾(みらい)という味を感じる細胞は加齢によって徐々に減ってきます。高齢の方では新生児の半分から1/3程度に味蕾の総数が減少し、味に対する感覚、特に塩味を感じにくくなり、濃い味を好むようになります。
 
◆歳を重ねていくと、塩分についてさらに注意が必要になりますね。減塩のための良い方法はないんですか?
 
◇分かりました。「減塩のポイント」をお話ししましょう。
①調理法を工夫して食塩量を減らす…新鮮な食材を利用して、味付けに変化をつけてみましょう。旬の食材はそれだけでおいしいです。表面に片栗粉や小麦粉をまぶす、蒸し煮など素材のうま味を閉じ込める調理法に工夫することで減塩につながります。
②酸味や香辛料、香りを利用…酢、レモン、ゆずなどの酸味を使うと塩味を減らしてもおいしくいただけます。カレー粉、唐辛子、ニンニク、しょうが、からしなどの香辛料や大葉、みょうが、ねぎなどの香味野菜を使うとメリハリのきいたおいしい味になります。
③塩分の少ない調味料を利用…しょうゆ、みそなど様々な減塩商品が出ています。メーカーによっても食塩の量が違うので、商品の裏面にある栄養成分表示を見てみるといいです。慢性腎臓病の方でカリウム制限のある場合は、医師に相談のうえ使用しましょう。
 
◆「減塩のポイント」としては、「調理法を工夫して食塩量を減らす」「酸味や香辛料、香りを利用」「塩分の少ない調味料を利用」ということですね。
 
◇そうですね。続いて
④「かけて食べる」より「つけて食べる」…とんかつにソースをかけて食べるのではなく、ソースを入れたお皿に、とんかつをつけて食べると、少ない調味料でおいしく食べることができます。ソースをとんかつにかけるとソースの食塩を約1.0g摂ってしまいます。つけるとソースの食塩が約0.3gになります。
⑤漬物・汁物の量に注意…漬物は浅漬け、汁物は具だくさんにする、麺類の汁は残すと1回に摂る塩分量が少なくなります。みそ汁、スープは一日何回飲まれていますか?家電量販店やスーパーなどに、汁物の塩分濃度を計測できる簡単な測定器が売ってあるので、一度ご家庭の味噌汁の塩分濃度を測定してみるのもいいかもしれません。
⑥外食や加工食品の摂り過ぎに注意…外食や加工食品には塩分の多いものがあります。食べる量に注意しましょう。
 
◆「減塩のポイント」は、「かけて食べるよりつけて食べる」「漬物・汁物の量に注意」「外食や加工食品の摂り過ぎに注意」ですね。
 
◇はい。「減塩のポイント」を6つ、ご紹介しました。下松市食生活改善推進協議会では下松市民の全世代を対象とした教室を各種開催しています。体がよろこぶ減塩の方法を体験していただく「くだまつ減塩教室」、シニア世代を対象にした低栄養、フレイル予防、脳トレなどを一緒に学ぶ「シニアカフェ」など様々な教室を開催しています。各市町でも特色のある活動を「食推」がしていると思いますのでお近くの保健センターまでお問い合わせください。
 
◆「食生活改善推進協議会」は県下全ての市町にあり、「食を通じた健康づくり」活動をされています。合田さん、今日は「減塩」についての大切なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

野菜をたくさん食べよう
2024/05/11放送
出演者
下松市食生活改善推進協議会会長 清木貴美子さん

◆まずは、4/13に「相続放棄」について放送しましたが、ラジオネーム「けんちゃん」さんから質問をいただきました。『私には負の財産として山の中の家と周囲の田んぼ、合わせて行ったこともない山林があります。これを子どもに相続させるのは可哀そうだと思いますが、相続放棄することができるでしょうか?』という質問です。
有近弁護士からの回答です。『相続放棄をすることは可能です。ただ、相続放棄は生前にあらかじめすることはできず、相続が発生してから、お子さんに手続きを行っていただく必要があります。また相続放棄は、負の遺産だけでなくプラスの財産も全て放棄することになりますので、この土地はいらないが他の土地や預貯金はいる、ということはできませんのでその点をご考慮ください。また相続放棄以外に、可能性のある手続きとして「相続土地国庫帰属制度」という制度があります。これは、昨年4月からスタートした新しい制度で、相続または遺贈(いぞう)によって、宅地や山林、農地などの土地を取得した人が、一定の要件を満たせば、負担金を納付することを条件に土地の所有権を国庫(国)に帰属させることができるという制度です。要件を満たす必要がありますので一度法務局へご相談されてみてください。』とのことです。「けんちゃん」さん、検討してみてください。
 
冒頭長くなりましたが、今週と来週は「食事・栄養」について学んでいきたいと思います。健康寿命を延ばすためには、「運動」「食事・栄養」「社会性(楽しみ・いきがい)」の3つが揃っていることが大切と言われています。その中の1つ「食事・栄養」です。スタジオには、下松市食生活改善推進協議会会長の清木貴美子さんにお越しいただきました。清木会長、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆まずは、「下松市食生活改善推進協議会」について教えていただけますか?
 
◇はい。「食生活改善推進協議会」とは、全国規模のボランティア団体で、「私達の健康は、私達の手で」をスローガンに、日本各地で食を通じた健康づくりに取り組んでいます。私たちは下松市内での講習会や調理実習、イベントへの協力など行政と一緒に食育の推進を図っています。愛称は、食推さん、ヘルスメイトと呼ばれており、ピンク色のTシャツ、エプロンを着て活動しています。
 
◆なるほど、「食生活改善推進協議会」は、食を通じた健康づくりに取り組んでいる全国規模のボランティア団体なんですね。山口県の市町にはどこでもあるのですか?
 
◇はい。13市6町それぞれにあります。
 
◆分かりました。今日は何についてお話しいただけますか?
 
◇今日は「野菜をたくさん食べよう」をテーマにお話ししたいと思います。
 
◆今日のテーマは「野菜をたくさん食べよう」ですね。ではよろしくお願いします。
 
◇分かりました。まずは「1日の野菜摂取の目標量」についてですが、350g(緑黄色野菜120g、淡色野菜230g)とされていますが、「令和4年県民栄養調査」によると、山口県民の1日の野菜摂取量は男性237.2g、女性231.9gとなっています。一部例外はありますが、切っても中まで赤や緑、黄色の野菜は緑黄色野菜です。逆に、きゅうりやナスは皮の色が濃いですが、切ると中が薄いので淡色野菜です。
 
◆ということは我々山口県民は、目標量に100g以上足りていないということですか?
 
◇そうなんです。
 
◆「1日の野菜摂取の目標量」350gとはどれくらいの感じなんですか?
 
◇はい。目標値350gの目安は、お浸しなど野菜が主材料となる料理5皿分(朝1皿、昼2皿、夜2皿)、生の野菜ですと両手に山盛り1杯分になります。
 
◆相当な量になりますね。毎日となると意識しないとなかなか取れませんね。
 
◇そうですね。
 
◆野菜を摂取することで、期待される効果はどのようなことがありますか?
 
◇はい、
○血圧低下に効果…野菜に多く含まれるカリウムの摂取量が増えると、食塩であるナトリウムを体から排泄してくれる。
○肥満の防止に効果…しっかりよく噛んで食べることで満腹感を得られる
○血糖値の上昇を抑える…食物繊維が豊富な野菜を先に食べることで、血糖値の急上昇を抑えて血管を守る
○脳梗塞、心筋梗塞の予防…食後高血糖を抑えることは動脈硬化を防止し、脳梗塞や心筋梗塞など生活習慣病の予防に役立つ
 
◆野菜を摂取することで期待される効果は、「血圧を下げる」「肥満防止」「血糖値の上昇を抑える」「脳梗塞、心筋梗塞予防」ですか。改めて野菜を摂取することの重要性を感じますね。
 
◇大切なことですね。では毎日たくさんの野菜を食べることが難しいと思われている方のために、野菜をたくさん摂るコツをお教えしますね。
 
◆これはありがたいですね。お願いします。
 
◇はい。
①加熱する(かさを減らす)…加熱することで生野菜よりかさを減らすことができ、たくさん野菜を食べることができるようになります。
②毎食1皿以上の野菜料理を…野菜を一度にたくさん食べることは難しいので、3食に分けて野菜料理を食べましょう。
③そのまま食べられる野菜や冷凍野菜を常備…トマトやきゅうりといった洗っただけで食べられる野菜やすぐ調理に使える冷凍野菜を常備しておくと手軽に野菜を食べられます。
④野菜をたくさん使って具だくさん…みそ汁やスープにたくさん野菜を使い、具だくさんにすると、しっかり野菜が食べられます。
⑤外食は一品ものより定食、付け合わせの野菜を残さない…一品ものより定食を選ぶことで野菜摂取量を多くすることができます。
⑥朝食で野菜料理を食べる…昼食や夕食に比べて朝食に野菜を摂取することが少ないと言われています。朝から野菜料理を食べましょう。
⑦赤や黄の野菜を使って彩りよくする…緑ばかりの野菜料理ではなく、赤や黄色を加えることで彩りを良くし、食欲を増進させます。
⑧作り置きのできる野菜料理を活用…煮物など、比較的長く保管できる野菜料理をまとめて作っておくと便利です。
 
◆今日は改めて野菜を取ることの大切さがよく分かりました。また、ちょっとした工夫で野菜の摂取量を増やすことができることも学びました。清木会長、今日はありがとうございました。「下松市食生活改善推進協議会」さんの益々のご活躍をお祈りいたします。
 
◇ありがとうございます。

高齢者施設についてパート2
2024/05/04放送
出演者
NPO法人山口県終活支援協議会 徳沢遼さん

◆先週に引き続き今週もNPO法人山口県終活支援協議会 徳沢遼さんにお越しいただきました。おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆先週は高齢者施設のうち公的施設5種類について、教えていただきました。今週は民間施設6種類についてお話しいただけるとのことですが、よろしくお願いします。
 
◇分かりました。今日は民間施設ということで、色々な媒体を通じて多くの宣伝がされていますので、公的施設より馴染みが深いのではないかと思います。まずは「サービス付き高齢者向け住宅」(以下「サ高住」)です。60歳以上もしくは要介護/要支援認定を受けている60歳未満の方を対象としたバリアフリー構造の住宅で、契約形態は賃貸契約になっています。介護士・看護師等の有資格者が常駐し、安否確認と生活相談サービスが提供されます。
 
◆「サ高住」はよく聞きますね。正式には「サービス付き高齢者向け住宅」と言うのですね。
 
◇はい。サ高住には一般型と介護型の2種類があり、一般型で介護を受ける場合は、外部事業者による居宅サービスを利用することになります。介護型の場合は、担当の介護職員が介護サービスを提供します。サ高住は介護施設ではなく、食事や清掃、買い物は自分で行いますし、外出や外泊を自由に行える施設が多いので自由度の高い生活を送れる点がメリットですが、あくまで住宅として扱われるので、介護度が高くなると住み続けるのが難しくなります。
 
◆「サ高住」には一般型と介護型の2種類あるということですね。
 
◇はい。続いて「有料老人ホーム」です。細かく3種類に分かれており、それぞれ大きな特徴がありますので、それぞれ解説したいと思います。まずは「介護付き有料老人ホーム」。「介護付き有料老人ホーム」は介護が必要な65歳以上の高齢者を対象にした施設で、要介護1?5の認定を受けた要介護者のみが入居できる「介護専用型」と自立・要支援と要介護の方を対象にした「混合型」があります。まれに入居時自立を条件とした「自立型」も存在しますが、私の知る限り県内には1件しか存在していません。
 
◆「介護付き有料老人ホーム」には「介護専用型」「混合型」「自立型」があり、「自立型」は数少ないということですね。
 
◇はい。施設のサービスとしては手厚い介護サービスが受けられる他、食事や清掃、洗濯などの生活支援サービス、健康状態を維持・向上させるためのリハビリや機能訓練、レクリエーションなどのアクティビティなど多彩なサービスが提供されます。介護サービス費は介護度に応じた定額制となっており、入居者の所得によって1~3割の自己負担額となります。
 
◆「介護付き有料老人ホーム」は、その名の通り、介護が必要な65歳以上の高齢者を対象とした有料老人ホームということですね。
 
◇そうです。続いて「住宅型有料老人ホーム」です。住宅型有料老人ホームは自立から要支援、要介護の方まで幅広く入居する施設です。食事サービスや生活支援、医療機関提携・緊急時対応などの健康管理サービス、安否確認などのサービスが受けられる他、イベントやレクリエーションが充実しており、他の入居者とコミュニケーションを取りながら楽しく生活できる点がメリットです。介護サービスの提供はないため、介護が必要になった場合には訪問介護や通所介護などの外部サービスを利用することになります。
 
◆「住宅型有料老人ホーム」は、自立から要支援、要介護の方まで幅広く入居出来る有料老人ホームということですね。
 
◇はい。続いて「健康型有料老人ホーム」です。健康型有料老人ホームは健康で介護の必要がない、自立した生活が送れる人を対象としています。そのため、介護が必要になったり、認知症を発症してしまった場合は退去が必要になる場合もあります。食事サービスや生活支援、安否確認などのサービスが受けられる他、イベントやサークル活動などのアクティビティが提供されます。高齢者がシニアライフを楽しむための施設が充実しており、天然温泉やジム、プール、カラオケルーム、麻雀ルームなどを備えているところもあります。しかし、豊富なサービスを受けられる反面、入居一時金や月額費用が他の老人ホームと比べて高額になることが多いようです。
 
◆「健康型有料老人ホーム」は、名前の通り、健康でシニアライフを楽しみたいという方が入居される有料老人ホームですね。
 
◇そうです。次は「認知症高齢者グループホーム」です。通常グループホームとだけ言われることが多いのですが、障がい者グループホームなどもあるため、正式には「認知症高齢者グループホーム」と言います。さて、施設概要ですが、要支援2以上で原則65歳以上の認知症を持つ高齢者のための施設です。5人から9人程度のユニットを作り、専門職員から介護サービスや機能訓練等を受けながら、入居者同士で料理や洗濯などの家事を分担し、共同生活を送ります。ユニットを作るのは、いつも顔見知りの中で落ち着いた生活を送れるようにするためです。自分でできることは自分で行うことで自立支援と精神的安定を図り、認知症の進行を遅らせることを目指しています。住民票を施設に移すことができる他、24時間体制で必要な介護サービスを受けられるメリットがあります。
 
◆「認知症高齢者グループホーム」は、認知症の専用施設で、5人~9人程度のユニットで家族のように安心して暮らし、進行を遅らせることを目指している施設なんですね。
 
◇そうです。さて、最後になりましたが「高齢者向け分譲マンション」です。内容的には富裕層の高齢者をターゲットにしたバリアフリー設計の分譲マンションですが、山口県には存在しません。以上、民間高齢者施設の説明でした。
 
◆分かりました。徳沢さん、2週にわたり公的および民間の高齢者施設をご紹介いただき、ありがとうございました。しかし、数が多く、また似たような施設もあり、選ぶ場合は大変ですね。
 
◇そうですね。自分や親族が入居する高齢者施設を選ぶ場合は、その人のライフスタイルや必要になるサービス、生活の利便性などを考慮する必要があり、「情報収集」「候補施設のピックアップ」「見学・体験入居」など綿密な過程を経ることが大切です。まずは自治体の高齢者担当部署か地域包括支援センターにご相談ください。
 
◆そうですね。徳沢さん、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。