大人の音楽堂

大人の音楽堂 ブログ

HUMBLE PIE

2025年11月29日

ハンブル・パイは1970年代始めから中頃にかけて本国イギリスで人気だったバンドです。モッズブームからブルースをベースにブギーのスタイルを取り入れたサウンドは大いに受けましたね。当時イギリスの次世代のミュージシャンは大きな影響を受けたことでしょう。後にエレクトリックに変身したマーク・ボランのT・REXもそれを感じますし、我が国の誇るクリエイションのファースト・アルバムにもその感じを受けます。

 

私がハンブル・パイを聴いた頃は既にギターはピーター・フランプトンからコロシアムのギタリスト、クレム・クレムソンに替わっていました。さすがのギターを聴かせてくれます。この方、めちゃうまい。そしてバンドとしては絶頂期です。1971年のフィルモアでライブ盤から受けまくってその名が世界的に知れるようになり、ギタリストの交代がありましたがそれが大正解。今回取り上げた「スモーキン」「イート・イット」と立て続けにヒットアルバムをリリース。とてもカッコイイ、ツインギターが完成します。グレッグ・リドリーのベースとジェリー・シャーレーのドラムもいい。脱退したピーター・フランプトンはソロになりその後の大成功はご存知のどおりです。ひとまずお互いに結果はよかったのです。

 

その後はやはり時代的に音楽シーンが変化をして商業的な売り方になり、ある意味硬派的なブルージーなバンドは苦労します。スティーブ・マリオットも良質なオリジナルを書きますが、今一つ…1980年代に入り、再びピーター・フランプトンと復活とのミーティングの途中、自宅の火事が原因で天国へ…残念です。その後オリジナルメンバー他が集まり追悼公演が行われてます。火の用心ですね。彼等のようにブギーのグルーブ感をかっこよく演奏するバンドは貴重です。

 

次回はニューヨーク出身、シンガーソングライター「ピーター・ゴールウェイ」お楽しみに。

 

今回オンエア

Hot ‘N’ Nasty

C’mon Everybody 

Sweet Peace and Time  

Get Down To It 

Drugstore Cowboy 

Beckton Dumps

251129HUMBLE PIE.JPG

Jeff Healey Band [Cover]

2025年11月25日

2週続けてのジェフ・ヒーリー・バンド。今回はロック・ファンも唸るであろう、名曲のカバー。

 

まずはザ・ヤードバースの「シェイプス・オブ・シングス」。さすがの演奏であります。気分はジェフ・ベック。バックの2人もノリノリでとても楽しそう。続いてジミ・ヘンドリックスの「フリーダム」。やはりジミ・ヘンはおさえておきたい。今回は名曲「エンジェル」もオンエア。最高であります。そしてロバート・ジョンソンの「ストップ・ブレイキン・ダウン」。素晴らしいアレンジで大騒ぎ。そしてジェフ・ヒーリー・バンドのセカンド・アルバムからザ・ビートルズの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」。とどめを刺された感があります。ご存知ジョージ・ハリスンの代表曲。オリジナルのギターソロは若き日のエリック・クラプトンさん。ラストはその二人の人気曲「バッジ」。

 

いかがでしたか?いつも思うのですが、1980年に後半から今日まで、いわゆる歴史に残る名曲がほとんどありません。やはり1960年代後半から1970年代は時代の影響も重なりクリエイティブな時代だったのでしょうね。後は組み合わせ的な楽曲がほとんどですね。しかし、上質なはカバーはとてもいい。聴いててワクワクします。反面、面白くないのが多すぎ…

 

次回はスティーブ・マリオット率いるハンブル・パイの登場です。お楽しみに。

 

今回オンエア

Shapes Of Things 

Freedom   

Stop Breaking Down

While My Guitar Gently Weeps

Angel

Badge

251122JEFF_HEALEY2.jpg

 

JEFF HEALEY BAND

2025年11月17日

カナダのブルースマンですよ。年齢は私より7つ年下。彼を聴いた時、自分よりかなり若いミュージシャンがこんなに渋く、クールでハードなブルースを演奏していることに驚きましたね。

 

デビューはおそらく彼が20歳頃でしょうか、運良くデビューアルバムにタイムリーに出会いました。少々音数が多いと感じましたが、まぁそれは個性というか若さでしょうか、ハードなブルースに衝撃を受けました。トリオ編成っていうのがとてもいい。生まれながらに大きな病気を抱えていたジェフ・ヒーリー、並々ならぬ努力と感性が彼を押し上げたのでしょう。

 

なかなか厳しいブルースファンにも受け入れられて、次々にアルバムをリリース。膝の上に置いたギターを巧みに操り、歌も素晴らしいブルースフィーリングを持っています。個人的感想ですが、往年のブルースはもちろん1960年代からのロックを聴きまくりそのメロディーやリフをコピーしまくったのでしょう。とにかく素晴らしいミュージシャンです。

 

残念ながら2007年に死去。早すぎました。私はラッキーなことに1995年に運良くライブを体験しました。当たり前ですがCDとは違い、ライブ会場の熱気と音圧にやられましたね。次回はジェフ・ヒーリー・バンドによるカバー曲を集めますので楽しみにしていて下さい

 

今回オンエア

SEE THE LIGHT

CONFIDENCE MAN

ANGEL EYES

CRUEL LITTLE NUMBER

EVIL AND HERE TO SAY

HEART OF AN ANGEL

25115.JPG

 

Keb’ Mo’

2025年11月08日

Keb’ Mo’。いつまでも聴いていられる。なんて心地いいのでしょう。ケブ・モの音楽に出会えた方はとてもラッキーではないでしょうか。私が彼を知ったきっかけは音楽好きの先輩からです。今から20年くらい前です。デルタ・ブルースの末裔と言われています。基本的にアメリカ南部のブルースと感じますが、カントリーミュージックやリズム・アンド・ブルース、ソウルやファンク的な要素がとても上手くミックスされています。ギターの音色と彼の声がとてもいい。気になる方は是非動画チャネルで確認していただきたいです。素晴らしいパフォーマンスを観ることができます。とにかくハイクオリティなんです。当然ですが録音が素晴らしい。

 

オンエアでも話しましたが、各楽器の音が非常にバランスよく分離されています。ここ数年よくある、すべての楽器やヴォーカルが圧縮されて「グチャ」っとなった音とは大違い。当たり前ですが、数段優れています。ブルースはなんか取っつきにくいとか感じておられる音楽ファンも多いと思いますが、まぁ聴いて下さい。とてもカッコいいのです。例えばエリック・クラプトンがそれを目指している感じですね。ケブ・モ…覚えていて欲しいですね!最高。サポートミュージシャンもとても素晴らしい演奏をしています。これもとても大切。メディアはこういう方をもっと取り上げるべきだと思います。

 

次回は没後17年カナダのブルースマン、ジェフ・ヒーリー登場。期待しててください。

 

今回オンエア

France  

Walk Back In  

Suitcase     

More Than One Way Home

Don’t Leave Me Here

I’ll Be Your Water

251108.jpg

BRYAN ADAMS

2025年11月01日

素晴らしいロックンローラーだ。地元カナダでは国民的シンガーソングライターだ。ライブステージを体験したら一目瞭然です。もっともっと我が国で評価されるべきシンガーソングライターです。ラジオ等のメディア関係の方々は彼の楽曲を取り上げるべきですね。ブルース・スプリングスティーンに続く強烈なインパクトがあります。

 

音楽シーンが好景気の影響かとてもおかしな時代の1980年代に、シンプルでストレート、そしてデリケートなロックンロールを浴びせてくれました。2026年始めには来日公演が迫っています。とにかく盛り上がりたい音楽ファンは会場に行くべきです。もし君がまだティーンエイジャーだったら人生が変わるかもしれません。とにかく貴重なシンガーソングライターです。絶滅危惧ミュージシャンです。中学の授業で取り上げるべき。

 

曲がとにかくカッコいいし、しかもリフやギターソロがとても計算されています。とても印象的なフレーズが各曲に反映されています。これはブライアン・アダムスの力もありますがスタッフとメンバーの凄さでしょう。彼をあまり知らない方々は彼の楽曲を聴いたら気づくでしょう。いかに我が国のプロのシンガーソングライターという方に影響を与えるか。ロック・バンドのお手本ですね。

 

次回はブルース・ミュージシャン「ケブ・モ」。お楽しみに。

 

今回オンエア

Summer of '69

Straight from the Heart

It's Only Love

Heaven

Cuts Like a Knife

Somebody

251101.jpg

Robert Plant

2025年10月25日

ロバート・プラントのニューアルバム到着。素晴らしい出来に満足しております。やはり彼の声を聴くと安心感や満足感が自然と身体に伝わります。レッド・ツェッペリン解散から45年が経ちましたが、先日公開された映画「Becoming Led Zeppelin」の大ヒットでも分かるように、やはり凄いのです。世界的なロックの頂点であるのは間違いないことは世間が証明しています。

 

現在77歳。レッド・ツェッペリンのメンバーの中ではこの40数年、唯一コンスタントにアルバムをリリース。並べてみたら我が家にも思った以上の数の作品があります。1980年代はそれなりのハードな作品もありますが、ここ数十年、ロバート・プラントは自らのルーツミュージックを探すかのようにブリティッシュ・トラッド・フォークや伝統的なケルト・ミュージックへアプローチした作品を作っています。カントリーシンガー、アリソン・クラウスとのアルバムはグラミー賞にもノミネートされて注目を浴びましたね。

 

今回、パンデミックで自由に旅が出来なかったロバート・プラントはイギリス北部で時を過ごすことが多く、改めてルーツミュージックと向き合い素晴らしい作品をリリースしてくれました。既にツアーもスタート。レッド・ツェッペリンのヴォーカリストはまた新たな伝説を作りました。素晴らしいの一言に尽きます。

 

次回は初登場かもしれません。ブライアン・アダムスの人気曲をセレクトします。お楽しみに。

 

今回オンエア

Chevrolet

As I Roved Out  

Everybody’s Song 

Promised Land   

Dancing In Heaven

251025.jpg

ERIC CLAPTON 1974~1978

2025年10月20日

今回はエリック・クラプトン、1974年~78年の渋い感じの曲をセレクト。そうなるべくしてなった感じのとてもナチュラルなクラプトンです。復帰アルバム「461オーシャン・ブールバード」はもう何度も聴きまくりました。それまでのアメリカ南部のデルタっぽいサウンドからレゲエを加え、マイアミのスタジオでとてもリラックスした作品です。まぁ名盤中の名盤なので説明不要ですね。その後の「安息の地を求めて」「ノー・リーズン・トゥ・クライ」「スローハンド」「バックレス」と並べてみても壮観です。

 

初来日の彼はギブソン・エクスプローラを抱え、咥えたばこ…ヘロヘロの姿はとてもカッコイイ。そして2025年、80歳を過ぎた今も健在のエリック・クラプトンさん、改めて彼の歴史を時系列に聴くには秋はぴったり。秋の夜長はクラプトンですね!

 

次回はなんとロバート・プラントのニューアルバムを中心にセレクト。お楽しみに。

 

今回のオンエア

Steady Rollin’ Man

Let It Grow 

Pretty Blue Eyes

Hello Old Friend 

Walk Out In The Rain

Golden Ring

 

Neil Young

2025年10月16日

孤独に寄り添う歌声…と言われています。とてもいい表現ですね。ニール・ヤング、大好きです。ニール・ヤングを真剣に聴いたのは俺が中学生の頃ですよ。先輩からアルバム「ハーヴェスト」と「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」を渡されました。ハードロック・プログレッシブロック少年は衝撃を受けました。なんとも言えないナチュラルな空気感。音が空気の中で響いていることを確かめるように聴き入りましたね。ハードロックで言えば「フリー」のようなサウンドの隙間のカッコよさがそこに詰まっていました。アコースティックギターの音とブルースハープの響きが素晴らしい世界観を奏でます。もちろんヴォーカルのクオリティーもです。バックのドラムの音は最高。シンプルなベースもいい。自身が奏でるピアノも何とも言えない、素晴らしい響きです。この2枚のアルバムはもう50年以上もヘヴィーローテーションで聴いています。とにかくいいんです。今の言葉で言えば「癒し」かもしれません。

 

そんな中1992年にアルバム「ハーヴェスト・ムーン」に出会います。なんと20年経っての続編。若い2人も20年以上一緒に暮らし、子供も大きくなり、たまには、再び2人のだけ時間を…そんな内容だと感じました。「金夜はロック座」でもプロモーション映像をオンエアした記憶があります。このアルバムはニール・ヤング最高の作品ですね。間違いなくこの世を去る時まで聴きます。夜空を少し見ながら聴けばジーンときます。音もとてもいい。特に日本では秋にはぴったり。

 

1970年代始め、ニール・ヤングを手本にした日本のミュージシャンはいっぱいいますね。聴けばわかります。それだけ凄い人なのです。個人的にはボブ・ディランに並ぶ方です。若き頃のライブを体験したことはとても大切な思い出です。コピーバンドでもいいので、こんな曲を書く人に出会いたかったですね。聴けば聴くほど身体にしみこみます。

 

次回は1974年~1975年頃のエリックさんの渋い曲をセレクトします。

 

今回オンエア

OUT ON THE WEEKEND 

HARVEST

AFTER THE GOLD RUSH 

UNKNOWN LEGEND 

FROM HANK TO HENDRIX

HARVEST MOON

Cheep Trick

2025年10月14日

まずこのチープ・トリック、バンドロゴがとてもかっこいい。それと、ライブこそが特別なバンドが多くあります。そのひとつが紛れもなく「Cheep Trick」ですね。ラストとなるジャパンツアーが無事に終了。たいへんな盛り上がりだったそうです。行きたかったですね!日本武道館。

 

1977年、セカンドアルバム「蒼ざめたハイウェイ」が大ヒット。キャッチーでハードなロックンロールはロックのおいしいところのてんこ盛り。ヴォーカルのロビン・ザンダーは甘いマスクもあって女性に受けまくり、ギターのリック・ニールセンの素晴らしいパフォーマンスは観客を魅了しまくります。ライブに行かれた方なら分かりますが、曲ごとにギターチェンジ。圧巻はやはりファイブネックギターと紙吹雪のようにオーディエンスに向かってばらまくピック。大サービスです。そしてこれまた甘いマスクのベース、トム・ピーターソン。12弦ベースの達人。存在感が凄い。そして愛すべきドラマー、バン・E・カルロス。咥えたばこがトレードマーク。心地いいグルーブを叩き出す。ここ10年くらいドラムはリック・ニールセンの息子さんが担当しています。彼は子供のころからチープ・トリックを観て育ったわけで、年齢の関係でライブに参加していないバーニーの後任者にはぴったり。とにかく最高のロックンロールバンドなのです。

 

個人的な思い出は、1994年の広島公演。何と開場後のロビーにメンバーが登場。大騒ぎになりました。かなりの親日。やはり彼等の名前を世界的に知らしめたライブアルバム「at武道館」の影響がありますね。「トップガン」を始め、アメリカ映画でチープ・トリックの曲は多く使われています。おそらく本国での人気は想像以上でしょう。今回の来日のオフィシャル映像のリリースを期待してしまいますね。

 

次回、秋にはぴったり、久しぶりにニール・ヤング登場。染みる曲をセレクトします。お楽しみに。

 

今回オンエア

HELLOW THERE  

COME ON, COME ON  

DREAM POLICE 

I WANT YOU TO WANT ME 

SURRENDER 

CLOCK STRIKES TEN  

MAGICAL MISTERY TOUR

251014.jpg

Becoming Led Zeppelin

2025年09月29日

映画観てきました。ロックのすべてがここにあります。問答無用の作品です。Becomingのタイトルのままに「誕生」です。他の音楽、ジャンルと異なるスタートにしてゴール。結成から解散までの約12年。ジョン・ボーナムの急逝により惜しまれながら解散。伝説になりました。その後45年の歳月が過ぎて行き今このような映像作品でレッド・ツェッペリンの結成が深掘りされた事はファンならずとも音楽シーンの財産でしょう。バーナード・マクマホン監督、頑張りました。レッド・ツェッペリンに関しては、これまでに無数の音源、資料が世に出ていますが、今回は初めてメンバーの全面的公認で制作されたとても貴重なものとなっています。

 

レッド・ツェッペリンの構想はジミー・ペイジの頭の中にヤードバース時代からすでにあったわけで、それを実現するためのメンバーやマネージャー、レコード会社との独自の契約等すべてが当時としては革新的な事でした。個人的に感じることのひとつとして、彼等はとても多くのライブをこなしてきたのですが、ジョンジーが体調不良時にテク・スタッフがサポートとしてカバーした事(短時間のライブ)がありますが、すべてメンバー4人だけでのライブです。適当なサポートなど入れていません。カッコよすぎます。それだけライブ演奏に頭を使っていたという事でしょう。

 

さて『Becoming Led Zeppelin』、近くの映画館なら毎日でも観たい内容です。1977年「狂熱のライブ」は毎日観に行きましたね。今回映画鑑賞して思う事は、さて果たして続編は…そんな期待をします。週末また行きます。なぜならそこにLED ZEPPELINがいます。

 

さて、次回はチープ・トリックです。期待してください。

 

今回オンエア

幻惑されて Dazed and Confused  

時が来たりて Your Time is Gonna Come 

ランブル・オン Ramble On 

強き二人の愛 What Is And What Should Never Be


新着記事

HUMBLE PIE

2025年11月29日

Jeff Healey Band [Cover]

2025年11月25日

JEFF HEALEY BAND

2025年11月17日

Keb’ Mo’

2025年11月08日

BRYAN ADAMS

2025年11月01日

月間アーカイブ